「ダニエルが幼い頃、私たちは本当に貧乏だった。地元のクラブのU-13に入ったとき、家から練習場まで遠くて毎日通うのは無理だったので、彼のために練習場のそばに小さなアパートを借りたの。でも、厳しい家計の中からさらにアパートの家賃を捻りだすのは本当に大変だった。一家は食べる物にも困ってしまって……」と当時を思い出して涙ぐんだ。

　これを聞いて、「彼が選手として成功するために大変な努力をしたのは間違いありませんが、家族も大きな犠牲を払って彼をサポートしてきたんですね。それらの苦労が見事に実って、本当に良かったですね」とルシアさんに伝えたのを覚えている。

「ダニエウ・アウベスの母親は弁護士との打ち合わせを終えて憔悴した表情」（1月26日のブラジルの日刊紙「コレイオ」電子版）

女性は「自分が犯した罪を償ってほしい」

　今後、アウベスにどのような判決が下されるのか。

　アウベスを訴えた女性は「お金が欲しいわけではない。絶対に示談はしない。彼には自分が犯した罪を償ってほしい」と語っているという。

©JMPA

　判決の内容がどうであれ、彼はすでに世界中の彼のファンをひどく失望させてしまった。22年間、営々と築いてきた輝かしい実績が、一気に色褪せた。現在の状況からして、彼のキャリアは終焉を迎えたと考えていいだろう。

　しかし、人生はこれからも続く。これまで彼のプレーを愛してきた世界中のファンのためにも、今後下されるであろう判決に従い、人間として出直してもらいたい。

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