- #1
- #2
Number ExBACK NUMBER
《武藤敬司60歳、引退試合直前!》 盟友・蝶野正洋が真っ先に思い出す”武藤との一騎打ち”とは?「一番くらって嫌だった技は…」
text by
二宮寿朗Toshio Ninomiya
photograph byShigeki Yamamoto
posted2023/02/21 11:11
かつて闘魂三銃士としてともに戦った蝶野正洋が、同期でありライバルでもあった武藤敬司について赤裸々に語った
「ブッチャー(橋本)は会場近くまで来てくれていたんだけど“やっぱり、俺いけない”と。そうなると俺はもう何も言えなかった」
実は闘魂三銃士が一堂に会すことで、蝶野は胸に秘めていた大きなプランを実行しようと考えていた。
「武藤さんとブッチャーを呼び込んで、引退を言ってしまおうと思っていた。もちろん2人にも知らせないまま、抜き打ちで」
幻の”引退未遂”から18年を経て…
20年以上酷使してきた肉体は限界に近づいていた。引退のことは頭にチラついていた。してやったりは次こそ自分だと思っていたのだが、それは幻に終わった。
気づけばこの“引退未遂”から18年もの月日が経とうとしている。自分がセミリタイアのまま、ライバルがいよいよ内藤哲也とのファイトで現役キャリアに終止符を打つ。
「多くの団体が集まっての対抗戦という舞台を武藤さんがつくった。その武藤さんがいなくなった後も、関係をつなげていけるだけの闘いができるかどうか。アンダーで組まれているレスラーたちの闘いが問われているとは思う。あの第1回のG1がそう。後につながるという意味では藤波さん、長州さん、ベイダーたちが優勝戦にこないで、俺と武藤さんが戦った状況ともちょっと重なるよ。
そして武藤さん。コンディションはあまり良くないとも聞いている。肉離れでしょ。入場で長い花道を歩くだけでもきついんじゃない? まあでもそこは武藤敬司のことだから、おいしいところは全部かっさらっていくはずだよ」
<前編から読む>