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“J屈指のGK陣”とポジション争い…それでも谷晃生がガンバ大阪への復帰を決めた理由「試合に出られないかも、と考えても仕方がない」 

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戸塚啓

戸塚啓Kei Totsuka

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photograph byGAMBA OSAKA

posted2023/02/16 17:01

“J屈指のGK陣”とポジション争い…それでも谷晃生がガンバ大阪への復帰を決めた理由「試合に出られないかも、と考えても仕方がない」<Number Web> photograph by GAMBA OSAKA

Jリーグ開幕に向けてトレーニングを重ねる22歳の谷晃生。その表情からも、ハイレベルな競争に身を置く充実感が伝わってくる

「ここで試合に出ることだけじゃなく、監督も変わって、選手も変わって、新しいガンバを作り出していくというタイミングで、自分を育ててくれたクラブでまたプレーしたいと思ったので。リスクがあるととらえる人が多いかもしれないですけど、それはどこのチームへ行っても同じでしょう。自分が同じ場所にとどまるよりは、より成長できる場所なのかなと感じています」

「まずはガンバで結果を」キーワードは“安定感”

 昨シーズンのガンバは、J1残留争いに巻き込まれた。15位でのフィニッシュは、14年のJ1復帰以降でワーストである。チームの再建を託されたスペイン人のダニエル・ポヤトス監督から、GK陣はどのようなプレーを求められているのだろう。

「シュートストップは大前提として、ピンチを未然に防ぐ。相手の攻撃を予測する。それから、チームとしてボールを持ちたいということで、自陣から相手ゴール前までスムーズにボールを運ぶために、攻撃の起点になる、ビルドアップに関わる。足元のプレーも求められていますね」

 チーム戦術にマッチしたプレーを意識しつつも、自身の強みを発揮していく。「チームのスタイルに合ったものと、僕自身の良さを出していければと思います」と、谷自身も話す。そのうえで、ひとつのキーワードをあげた。

「安定感は大事だと思います。守備範囲をより広くしながら、最後のところでやらせないのは重要。GKが慌てたりすると、どうしてもチームに悪い影響が出てしまう。後ろがしっかりしていると、チーム全体が安心してくれる。チャレンジするプレーと、リスクをおかさないプレーを、ゲームの流れやチームの状況を読みながら判断していけば、安定感は生まれるのかなと思います。そうすることで、周りからもそう感じてもらえる」

 森保一監督が続投した日本代表は、3月から活動を再開させる。カタールW杯最終予選から招集されてきた谷は、日本代表の正GK争いにも加わっていくことが期待される。

 そのためにも、ガンバでアピールをしていかなければならない。谷は静かに頷いた。

「W杯という舞台は意識していますし、自分のなかで一番の大きな目標です。そこへ行きたい思いはありますけど、そちらが先になってはいけない。まずはガンバでしっかりとしたパフォーマンスを出す。試合に出る。チームとして結果を残す。そこを一番フォーカスしたいと思っているので。それが代表につながるのが一番いい」

【次ページ】 近い世代のライバルは「そんなに意識していない」

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