酒の肴に野球の記録BACK NUMBER
「小園海斗が悲鳴を」東出コーチが笑顔でノック、栗林良吏は“WBC仕様の調整”…カープ猛練習キャンプで“ファンの喜び”を感じたワケ
text by
広尾晃Kou Hiroo
photograph byKou Hiroo
posted2023/02/06 17:01
新井貴浩監督体制でも伝統の猛練習は健在。カープのキャンプは活気にあふれているようだ
こうした投手を相手に、西川龍馬、野間峻祥などが、鋭い打球を飛ばしている。まさに実戦に近い練習だ。広島キャンプはそれぞれの練習に、明確な目的があると感じられる一端だ。
大瀬良、栗林が早くも勢いのある球を投げ込んでいた
メイン球場の右翼側にあるブルペンでも、景気の良い音が聞こえてくる。エースの大瀬良大地が早くも勢いのある球を投げ込んでいる。その横では、昨年先発で3勝に終わったドリュー・アンダーソンが、ゆったりとしたフォームで投げている。彼は今季のローテーション入りに向けて、シーズン開幕直後に勝負の時を迎えるのだろう。
このあとにブルペンに上がったのは絶対的な守護神の栗林良吏である。今年の第5回WBCに広島から唯一選出された。楽天の松井裕樹とともに侍ジャパンでもクローザーを任される。東京五輪で新人ながら大活躍した経験を有しているが、WBCはさらに強敵が控えている。
栗林は15日には原隊を離れ、同じ宮崎県宮崎市で17日から始まる侍ジャパンのキャンプに合流する。他のチームメイトとは異なり、彼にとっての開幕は3月である。調整のペースが早くなるのは仕方がないところだろう。
こういうところにも「いつもと違う春」の気配を感じる。
広島東洋カープの一軍は、2月15日には二次キャンプが行われる沖縄県沖縄市のコザしんきんスタジアムに移動する。この2週間、日南市のファンは精いっぱいの声援を送り続ける。(つづく)
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