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“ブンデス2位のスタメン”を捨て、なぜ残留争い15位チームに? 原口元気31歳が移籍直前に語っていた“真意”「見栄えはいいかもしれない。でも…」
text by
中野吉之伴Kichinosuke Nakano
photograph byGetty Images
posted2023/02/04 17:00
ウニオン・ベルリンでの最後のプレーとなったヴェルダー・ブレーメン戦。移籍直前、本人が筆者に語っていた新天地への思いとは…
「このチームはすごい《チームとして》というのを大事にする。決まりごとが多い。あんまり自分がやりたいことができる環境ではないかもしれない。チームがすごく強くて、もちろんW杯落ちたというのもあって、僕の価値観的には選手として、なんかもう1回成長したいなって」
もう少し自由度があるチームっていうのが面白いかなって
例えば、前所属のハノーファーでは、チームの中心としてプレーしていた。監督から絶対的に信頼され、攻守に重要な役割を果たしていた。イメージしているのは、あの時のような自分なのだろうか?
「あれはあれで大変だったし、でもすごい伸びたなと思う。2部だったっていうのもありますけど、でもあれぐらいのことを1部で(できたら)。もう少し自由度があるチームっていうのが面白いかなって」
選手としての価値をどこに見るのか。そこと向き合い続けた。ブンデスリーガ2位のクラブで、中断から再開後の2試合でスタメンに名を連ねた。来季EL、CL出場クラブでプレーするというバリューだってある。選手としてジレンマがない訳はない。
「見栄え的にはここにいた方がいいのかもしれない。やっとポジションもね、プレシーズンでよくて、ここまでたどり着いたというのもあります。面白いですけどね、ここでやってるのも。(終盤に逆転勝ちするような)試合が日常的に起きるので、このスタジアムだと。なかなかないじゃないですか、こういうパワーのあるゲームって。でも、自分の成長に目を向けたいなと思っているんです。ここでポジションを掴み続けるっていうのは大変なことだし、一つの大きなミッションで、十分価値があるのは理解しています。けど、ちょっと僕の見ているところと違うのかな」
ハノーファー時代から積み重ねてきたものがあるんです
サッカー選手としての純粋な思い。追い求めたいものがここにあるのかという自問自答。