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“ブンデス2位のスタメン”を捨て、なぜ残留争い15位チームに? 原口元気31歳が移籍直前に語っていた“真意”「見栄えはいいかもしれない。でも…」
text by
中野吉之伴Kichinosuke Nakano
photograph byGetty Images
posted2023/02/04 17:00
ウニオン・ベルリンでの最後のプレーとなったヴェルダー・ブレーメン戦。移籍直前、本人が筆者に語っていた新天地への思いとは…
やれないわけではないのだ。ホッフェンハイム戦では、後半開始から交代する時間までの18分間、かなりボールに触る機会があった。特にゴール前で味方からのパスを受けて、ドリブルで相手守備を切り崩し、味方へのパスを見事に通したシーンでは、スタジアムのウニオンファンも大きく沸いたものだ。
「あれ結構ね、自分のポジションを真ん中気味にして。左サイドで受けたり、真ん中で受けたりしたと思うんですけど、やりだすとやっぱり楽しいなって。自分のポジションを守ってるのも大事なんですけど、空いているところへどんどん、自分のポジションからも離れていけると、ボールに関われる回数は増えますよね」
もっとサッカーしたいなって。うまくなりたいから。
自身のコンディションや感触には十分な手ごたえがある。もっとやれるし、もっとやりたい。ボールに触って、ゲームに関わって、サッカーを実感して。そんな思いとどう向き合えばいいのか。
「調子はいいので、もう少しプレー機会があれば……。プレー機会っていうのは、(ボール)タッチ数というか。プレシーズンだともう少し(チームとして)つなぐじゃないですか。なので(自分の)良さが出てたなって思ってたんですけど。ただやっぱり本番になると(つながずに)蹴る回数が……。もっとサッカーしたいなって。うまくなりたいから。いまテーマをそこに置いてるんです。うまくなるためにはやっぱボール触らないとうまくなれない」
W杯落ちたというのもあって…
原口はこれまで所属してきたクラブでも、よく《バランス》という言葉を口にしてきた。どうすればチームが機能するのか、どうすればチームの勝利に貢献できるのかということに真摯に向き合い続けてきた。疲れ知らずに走り、ギリギリのところまで体を投げ出してでも守り、どれだけ倒されても、すぐまた立ち上がって走りだす。だからどのチームでも、頼りにされた。でも、ひょっとしたら、どこかでバランスがチーム寄りになりすぎていたということもあったのかもしれない。