ぼくらのプロレス(再)入門BACK NUMBER
“掟破りの顔面蹴り”はオカダと清宮の大乱闘に発展…35年前、長州力vs前田日明の「顔面襲撃事件」を振り返って考える“スキャンダルの功罪”
text by
堀江ガンツGantz Horie
photograph by東京スポーツ新聞社
posted2023/02/03 17:00
1月21日、清宮海斗のオカダ・カズチカへの顔面蹴りは場外乱闘へと発展
清宮の“不意打ち顔面蹴り”は褒められた行為ではないが…
前田の危険な蹴りは許されざる行為ではあったが、信念を持って体制に対して自分を貫いたことでファンはその生き方を支持した。そして前田の行為を「プロレス道にもとる」と断罪し保守化した猪木から前田へ、時代が移るきっかけにまでなった。
そして今回のオカダと清宮の件である。
不意打ちの顔面蹴りは決して褒められた行為ではないだろう。ただし、ノアの若きエース、GHCヘビー級王者として、新日本のトップになめられたまま引き下がるよりははるかにましだ。
そして、その行為の是非はともかく、いまコアなファンの間でオカダ・カズチカvs.清宮海斗は、2.21東京ドームのメインイベントである武藤敬司引退試合(vs.内藤哲也)以上の注目を集めている。
あとはこのある種のスキャンダルを生かすも殺すも清宮次第。清宮の信念がどれほどのものなのか、時代をつかむに値する器なのか、今そこが問われている。
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