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「ドウアンはどこまで行くんだろう」ドイツ人記者も絶賛&期待、堂安律がブンデスで実感する“成長”「かなり強くたくましい選手になれてる」
posted2023/01/31 11:00
text by
中野吉之伴Kichinosuke Nakano
photograph by
Getty Images
カタールW杯を経て、堂安律はブンデスリーガのフライブルクで今どのようにサッカーと向き合っているのか。ドイツ在住の筆者がフランクフルト戦を訪れ、聞いた現地記者の声、そして本人が口にする実感とは――。
フライブルクでプレーする堂安律へ極めて高い評価をしているのは、なにもフライブルクファンや関係者だけではない。
今日はかなりスリリングな試合になると思うんだよね
1月25日のフランクフルト戦で記者席に向かうと僕の席にドイツ人記者が座っていた。たまにこういうことがある。満席ならいざ知らず、隣の席も空いていたので、僕はそのままそこで取材の準備を始めた。しばらくすると彼が話しかけてきた。
「今日はかなりスリリングな試合になると思うんだよね」
うなずいた僕といくつか言葉を交わした後、試合前の準備があるからとまたパソコンに向き直った。僕にも準備はある。
フライブルクは前節ヴォルフスブルク戦で決定的な場面でミスを連発してしまい、0-6の完敗。クリスティアン・シュトライヒ監督にとっては、プロ監督として過去最多失点という記録的大敗だっただけに、この試合への思いは相当だっただろう。
「判断が遅すぎる!」「動きが全くない!」
前日会見で、シュトライヒは「自分達のサッカーを再確認した。やるべきことをやる。我々は守備を固めて、カウンターばかりのようなサッカーをするつもりはない、絶対に」と宣言していたが、そんな監督の言葉通り、フライブルクの選手は試合開始と同時にはじかれたようにピッチを躍動感たっぷりに走り回る。攻撃でも、守備でも、フランクフルトよりも出足が数段速い。
そしてそんなフライブルクの迫力に押されたのか、フランクフルトはまるで対抗策を見つけることができないまま、じりじりと自陣へと追い込まれてしまう。
気が付くと、隣のドイツ人記者が矢継ぎ早に文句を口にしている。