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箱根駅伝PRESSBACK NUMBER
駒澤大・大八木弘明監督に「それならやってやるよ!」と反抗…2年前箱根で区間賞、“怒られすぎた男”が“第2の父親”をそれでも嫌いになれないワケ
text by
杉園昌之Masayuki Sugizono
photograph byNanae Suzuki
posted2023/01/28 11:02
今年の駒澤大と同じく、2021年箱根駅伝優勝時にも6区は区間賞。その走りを見せたのが花崎悠紀(当時3年)だった。本人に話を聞くと…
当時、花崎ら3年生たちは『谷間の世代』と揶揄されたが、8区の佃康平は区間4位、10区の石川拓慎は区間賞。出走した3人全員が、復路で大きな役割を果たした。1月3日の夕方、閉会式から寮に戻ってくる大八木監督を選手全員で出迎えた。走ったメンバーが一人ひとり頭をなでられるなか、3年生だけは『よくやった』と抱きしめられたという。エース格の主力ではなく、これまでスポットライトを浴びていなかった選手たちの働きが認められたことに感慨を覚えた。
「見返してやるぞ」という気持ちなんて、すっかり忘れていました
「自分を含め、みんな泥臭くて頑張ってきた選手たちだったから、すごくうれしかった。箱根前にあった『大八木監督を見返してやるぞ』という気持ちなんて、すっかり忘れていましたよ」
このときはまだ、一度噛み合ったはずの歯車が、よもや狂うとは思っていなかった。
あれから2年が経過したいまも駒澤での4年目を思い返すと、表情が少し曇る。大学3年時から使い続けるゲーミングチェアに深く腰掛け、少し間を置いてから、慎重に言葉を選んで口を開いた。
<続く>
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