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「抑えても抑えなくてもそんなもん」DeNA石川達也がプロ初登板の直前に今永昇太から教わった“無我の境地”「ヤスさんからは『プラスしかない』と…」
posted2023/01/23 11:03
text by
石塚隆Takashi Ishizuka
photograph by
Sankei Shimbun
「昨年のホーム最終戦、満員の横浜スタジアムのマウンドに上がったとき、すごく幸せだなって感じたんですよ。地元ですし、ずっと育ってきた街。ここで結果を出していかなければと強く思いましたね」
横浜DeNAベイスターズの石川達也は、少しだけやんちゃな表情を浮かべそう語った。
3年目のリリーフ左腕。神奈川県横浜市出身、名門の横浜高校から法政大学を経て2020年のドラフト会議で育成1巡目指名を受け入団をした“地元の星”。2年目の昨年6月に支配下選手登録を勝ち取り、またファームでは22試合に登板し2勝1敗2セーブ、防御率1.10という成績を挙げ、イースタン・リーグ優秀選手賞に選出された期待の若手投手である。
石川が悔しそうに振り返る“一軍の洗礼”
「支配下選手登録されたときは素直に嬉しかったですね。欲を言えば1年目で支配下に上がるのが目標でしたが、時間が掛かりながらも成長できた日々だったと思います。特に投球のテンポアップであったり配球の組み立てなど学ぶべきことは多くありました」
だが一軍の壁は厚く、昨シーズンは3試合に登板し、5回1/3、7四球、防御率8.44とプロの洗礼を浴びた。
「ファームの試合で出せていたことが、一軍では全然発揮できませんでした……」
負けん気が強そうな表情。悔しさをにじませる石川だが、7月に一軍に昇格するとブルペンの雰囲気を肌で感じることができた。そこで石川は百戦錬磨の先輩たちからプロとしてあるべき姿勢を学んだ。