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“極秘の選挙応援”に怒った巨人…31年前、原辰徳のうますぎた弁明とは? 江本孟紀が明かす“あの政策”「野球出身なのになんでサッカーを応援してるんだ」

posted2023/01/17 11:01

 
“極秘の選挙応援”に怒った巨人…31年前、原辰徳のうますぎた弁明とは? 江本孟紀が明かす“あの政策”「野球出身なのになんでサッカーを応援してるんだ」<Number Web> photograph by Shiro Miyake

「政治家の話題って、スキャンダルぐらいしかない」江本孟紀75歳にインタビュー

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岡野誠

岡野誠Makoto Okano

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Shiro Miyake

1992年、スポーツ平和党のアントニオ猪木に口説かれ、参院選出馬を決意した江本孟紀。公示前日に長嶋茂雄が“散歩”と称して激励に訪れ、マスコミに話題を振りまいてくれた。予断を許さない選挙戦終盤、江本の元に、現役選手である巨人の4番・原辰徳が応援にやってきた。翌日、球団に呼び出しを食らった原はどう対応したのか――。(全3回の2回目/#1#3へ)※敬称略、名称や肩書きなどは当時

◆◆◆

 ミスターの訪問で華々しく始まった選挙戦だったが、江本は公示日から厳しい現実に直面する。

「もうね、出馬をすぐ後悔しましたよ。普通の政党は選挙カーや運動員をたくさん抱えていますけど、スポーツ平和党は猪木さんのシンパが応援しているだけ。その人たちは猪木さんの演説について行くので、僕のほうには来ないわけですよ。党で選挙対策会議をすると、『明日は朝から千葉の駅前に行こう。ウチの若い子に運転させるから』なんて言われて、2人でトボトボ向かう。駅前で演説しても、誰も聞かないで去っていく。むちゃくちゃ寂しい。政治家を批判する人は一度、朝8時から夜8時までスタッフと2人で遊説してみてほしい」

 たった1カ月前、講演会で聴衆の食い入るような眼差しを浴びていた江本にとって、そのギャップは特にこたえた。野球は敵を負かせばいいが、選挙は相手の懐に入って共感を得なければならない。江本は得体の知れない“国民”にどう向き合えばいいのか試行錯誤した。

「公示日に選挙カーの上で演説したけど、自分みたいな者が高いところから話してもダメだと思った。人込みをかき分けて入って、その中でしゃべるようにしたら反応が全然違いましたね」

「原です。僕も応援しに行きたい」

 江本は徐々に手応えを感じ始め、議席獲得の可能性も高いと報じられていた。ただ、3年前の参院選で、圧倒的な知名度と絶大な人気を誇るアントニオ猪木ですら、投開票翌日の午後5時にようやく当確が伝えられた。予断を許さない選挙戦終盤、江本の孤軍奮闘ぶりを伝え聞いた現役の大スターが電話を掛けてきた。

【次ページ】 球団を納得させた「原辰徳の弁明」

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