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「どこまでやるんだ、この2人」圧巻の飛び技に大流血も…ケニー・オメガとウィル・オスプレイが「1.4」で見せた“お腹いっぱい”の激闘 

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原悦生

原悦生Essei Hara

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posted2023/01/09 11:05

「どこまでやるんだ、この2人」圧巻の飛び技に大流血も…ケニー・オメガとウィル・オスプレイが「1.4」で見せた“お腹いっぱい”の激闘<Number Web> photograph by Essei Hara

トップロープ越しのトペを見事に決めるケニー・オメガ。新日本プロレスのリングに「ベストバウトマシーン」が帰還した

「オレ以外のプロレスラーはすべてサーカスの動物」

「オレが勝つという悲しい結果になったな。40分近く、プロレス史における最高の聖地であるこのリングで会話をすることができた、あの男と。男と男、アスリートとアスリート、パフォーマーとパフォーマー、プロレスラーとプロレスラーの戦いだった。状況が違えば、オレたちはいい友人になれたかもしれないのに、本当に残念だよ。もし1年のうち364日負けたとしても、最高のレスラーであるためには、残りの1日で最高の自分を見せられればいいんだ。その1日で相手よりも自分が勝っているというところを見せられる、それが本当のチャンピオンだ。オレが真のチャンピオンであり、世界中のプロレスの頂点に立つ男であり、今もまだそれは変わらないということを証明することができた」

 オメガは疲労していたが、自信たっぷりにこう続けた。

「オレを見てみろ。ウィル、お前は一体、何をしてきたんだ? 鏡の中に映る自分を見てみればいい。今、オレが鏡を見たら、そこに映っているのは勝者であり、レジェンドだ。お前が鏡を見たときに、鏡の中に映っているのは昨日と変わらないお前だ。今日勝ったことでオレは、最強であるということを証明することができた。もし今日、お前が何か学んだとすれば、オレ以外のプロレスラーはすべてサーカスの動物たちのようなものだということなんだ。リングの中でリーダーシップをとるのは唯一無二のオレであり、他の者はオレにとっての添え物でしかない。お前もその中の1人なんだ。お前にリーダーの座はまだまだ渡すことはできない」

 オメガのマネジャーのドン・キャリスがそれに呼応した。

「ウィル・オスプレイは運動神経も素質もあって、突出したプロレスラー、怪物的なアスリートだ。しかしひとつ欠点があるとしたら、その強さをここぞというときに示せないことだ。東京ドームではマジックが起こるんだ。お前はケニー・オメガと同等ではない。人間は平等ではない。ここでその魔法を使える者がより強いんだ。そしてその魔法を誰がかけられるかと言えば、バスケットボールでいえばマイケル・ジョーダンだ。残念ながらお前はスコッティ・ピッペンなんだ。お前に価値がないとか、オールスターじゃないとか言ってるんじゃない。残念ながら、ケニー・オメガが史上最高の男だということが証明されただけなんだ」

【次ページ】 会場の空気はメインを前に「お腹いっぱい」に

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