――今年はなかなか出番がない時期も続きました。それでも明るい杉谷さんにチームも救われたと思います。話題になった「きつねダンス」にも貢献しましたね（笑）。

杉谷　（SNSに上がった動画は）急に踊ってくださいと言われたんですよ。ずっとファームにいて、満を持して一軍に戻ってきた時に、「きつねダンス、すごいですねえ」と言ったら事業部の方に「踊れる？」と（笑）。見たまんま、即興でやりました。

――ダンサーの皆さんと合わせることもなく？

杉谷　ないですよ。映像を見て「じゃあ、やってみましょうか」と1回リハやったぐらい。そこで「めちゃくちゃ面白いじゃん！」と手応えを感じていました。きつね耳を付けて2回しか撮ってないんですけどね。ファン感謝祭のときも踊りたかったのですが、僕はセレモニーがあったので後ろで待機してました。

流行語大賞に選ばれるなど、2022年で大ブームを巻き起こした「きつねダンス」　©︎JIJI PRESS

――じゃあ、杉谷さんのきつねダンスは新球場でということで。

杉谷　新球場もそうですし、もしかしたら年始に踊ってるかもしれないですよ（笑）。

社長・杉谷拳士のビジョン

――2022年のきつねダンス、23年は新球場とファイターズも新しいことにチャレンジしていますね。杉谷さんも独立して、起業して、新しい人生が始まります。社長・杉谷拳士の目標を教えてください。

杉谷　野球選手上がりの経営者って、今パッと（代表的な人やイメージ像を）思い浮かべられる例って少ないじゃないですか。5年後、10年後、15年後、今の選手たちがキャリアを終えた時に指導者になるのが正解なのか、それともいろいろなことを勉強して違うキャリアを歩むのが正解なのかと考えた時に、「そういえば杉谷は自分で会社を興したよね」と、最初にふと思ってもらえるような選択肢、そんな存在になりたいと思っています。まだ大きな成功をした方はなかなかいないと思うので、中長期的なビジョンを掲げ進んでいきたいです。

　それに、今回のサッカーW杯が盛り上がったように、3月にはWBCがあります。今度は野球の番。もっともっとスポーツを日本中に広めて「スポーツ×ビジネス」の分野が成長していけるような働きかけ、環境面を整えたいという思いが強いです。まだ具体的なことは言えないですが、1つ1つチャレンジしていきたいですね。

――タレント・杉谷拳士も期待していいですか？

杉谷　そこは2軸で考えていますし、頑張りたいです。あと、本気で挑戦する人の気持ちをちゃんと聞けるようなインタビュアーになりたいと思っています。そして、いろんなスポーツの魅力を伝えていきたいです。

――まずは勉強ということでしたが、いずれ野球界に戻りたい気持ちはありますか？　ファイターズ、北海道への恩返しも含めて。

「前進」をポージングで表現　©︎Shigeki Yamamoto

杉谷　北海道の皆さんから勇気と元気をたくさんもらったと思っています。また、絶対に“強いファイターズ”にしたいという思いがあるので、それこそ国内外のいろんなスポーツビジネス、球団経営だったり、たくさんのことを学んで、いずれは恩返しをしたいと思っています。ファンの皆様にはいつか素敵な報告ができるように、そこに向けてしっかり準備をしたいです。

――これからも“前進”を楽しみにしております。

杉谷　ありがとうございました。

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