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本田圭佑が”W杯優勝”に向けて明かした覚悟「目標をイメージできたら、ほぼ成功」「みんなの分までオレが突き抜けたろうと思ってる」
text by
木崎伸也Shinya Kizaki
photograph byTakuya Sugiyama
posted2023/01/15 11:01
2012年10月のブラジル戦で0-4の完敗を喫するも1トップとして存在感をみせた本田圭佑。W杯優勝の目標はブレていないと語っていた
「自分は監督じゃないしね。それでもやれることやらんと。でも、もしそれでもみんなが……。オレはみんなを信じるよ。信じてる前提で言うけど、もしそれでもみんなが成長できないのであれば、オレがみんなの分、成長すればいいなと思ってる」
――え?
「みんなの分まで、オレが突き抜けたろうと思ってる」
――そこまでの覚悟なんだ!
「当然、W杯までにみんなを成長させるための作業として、やれることをやりたい。コミュニケーションっていう意味でもね。集まっているときに、どれだけ会話できるかっていうことも含めて、やることはやる。けど、もしそれでみんなが自分が求めているところまで行けずに、成長できなかった場合、オレがそれを補うぐらいの、頼られる存在になればいいなと思ってる」
ベンゼマくらいのレベルじゃアカン
――発想がすごすぎる。
「それをやるには、個人技よ。完全な。戦術とか、パスワークとか、コンビネーションとか、そういうことの問題じゃないくらい、突き抜けなアカンと思ってる。ネイマールを見ててもそう思ったし、ベンゼマを見てても思った。でもベンゼマくらいのレベルじゃアカン。だって彼のまわりには、身体能力の高いフランス人選手がいるし、リベリーもいる。でもオレのまわりには、当たり前だけど日本人選手がいる。日本だからこその良さがあるし、それに見合ったサッカーをする。南アフリカW杯でもそうやった。ただ、肝心なところでの個人技とか、絶対的なプレーというのは、今のオレにはないから。チームを救えるだけのね。結局チームありきでの、チームに助けられての、オレが点を取れるか、取れへんかっていうところにいるから。それだけじゃアカンというのを、今回気がつかされた。あらためてね」
――なるほど。
「いや、わかってたけど、でもそれを直に体験することが必要やったから。フランス戦とブラジル戦っていうのは、そういう意味があったから。オレはフランス戦での戦い方はまったく納得していなくて。勝ったからOKということじゃないし、オレはブラジル戦の方が収穫がホントに大きかったと思う。フランス戦に出て勝った選手も、それを感じていると思う。感じないと逆にアカンと思っていて」