ドイツ戦で豪快に決勝ゴールを決めた浅野拓磨や、ドイツ戦とスペイン戦でネットを揺らした堂安律、さらに後半の切り札として違いを生み出した三笘薫――。英国でも彼らのようなド派手な活躍をした選手に視線は注がれたが、同時に、サッカーの母国である英国民は身を粉にしてハードワークする選手を愛してやまないのだ。レスター在籍時の岡崎慎司のように、利他性の高い動きでチームを助ける「カルトヒーロー」をきちんと評価する一面がある。

　印象に残っているのは、前田が先制ゴールを決めたクロアチア戦。英BBC放送のアナウンサーは「セルティックのマエダが決めた！　今回のW杯でマエダは、献身的な走りとハードワークでチームを常に支えている。その苦労が今、報われた」と絶叫していた。

　マンチェスター・ユナイテッドのレジェンドDF、リオ・ファーディナンドも最高級の言葉で前田を褒めていた。

クロアチア戦の前半43分、右CKからのこぼれ球を押し込んだ前田大然。自身W杯初ゴールとなった　©Kiichi Matsumoto／JMPA

「前田のゴールには絶対的な価値がある。前田が日本代表でゴールを決めたのは今回で2度目。代表でまだ2点目なんだ。だが、本当に価値があると思う。彼は、ピッチのどこにでもいる。『あそこにも、ここにも』と、まるで取り憑かれたかのように顔を出すんだ。ボールを持っている、持っていないに関わらず、献身的に走り回っている。プレスの急先鋒として機能しているから、相手のDFにとっては本当にやっかいな存在だ。前線のスペースに走ることも、長い距離を走って守備に戻ることも厭わない。ファンタスティックだよ」

　一方、「前田を見直した。もっと称賛しなければ」と伝えたのは、前田が所属するセルティックのクラブ情報サイト『セルティック・スター』だ。

　W杯を戦う日本代表メンバーが発表された際、古橋亨梧と旗手怜央が選出されず、セルティックから前田のみが選ばれた。この選考に、同サイトは「スコットランドの多くの人々が疑問を感じていた」と振り返る。

　しかし『セルティック・スター』は、こうした見方が間違っていたと指摘し、前田の評価はW杯前後で大きく変わったと伝えた。

「サッカー界の頂点にあるW杯は、文字通りワールドクラスが集まる場所だ。その中で前田は、日本代表の躍進に大きく貢献した。日本代表メンバーが発表された際、『なぜ前田だけが選ばれたのか。彼は古橋や旗手より劣っているのでは？』といった厳しい意見が聞こえた。しかし、ドイツ戦では前田の献身的なプレスが効いていたし、クロアチア戦では自らネットを揺らした。つまり、前田は自身の価値をW杯で証明したのだ。今後、セルティックでも尊敬の眼差しを向けられて然るべきだろう」

【2】「エンドウはいつも正しい」の評価

　プレー分析に定評のあるスポーツサイト『アスレティック』は、中盤の要である遠藤航に注目していた。

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