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冬の移籍市場で人気なのは「カマダ」だが…英国メディアで評価アップ、森保ジャパン“意外な”3人の名前「マエダを見直した! 私たちが間違っていた」 

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田嶋コウスケ

田嶋コウスケKosuke Tajima

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photograph byKiichi Matsumoto/JMPA

posted2022/12/19 18:53

冬の移籍市場で人気なのは「カマダ」だが…英国メディアで評価アップ、森保ジャパン“意外な”3人の名前「マエダを見直した! 私たちが間違っていた」<Number Web> photograph by Kiichi Matsumoto/JMPA

カタールW杯で3試合に先発出場した前田大然。セルティックの地元メディアからは「マエダを見直した。もっと尊敬されるべき」との声が聞こえてきた

 その評価は、試合に敗れたにもかかわらず遠藤をクロアチア戦のMOM(マン・オブ・ザ・マッチ)に選出したほどだ。試合中継の解説を務めた元イングランド代表MFジャーメイン・ジェナスも、「今大会の遠藤は正しい場所にいて、正しいタイミングで、いつも正しいことをしている。非常に効いている」と日本のキーマンであると主張していたが、アスレティックも次のように記した。

「クロアチア戦の遠藤は、中盤中央で一級品のプレーを見せていた。守備の局面ではデュエルと空中戦、タックルで勝利し、攻撃では効果的なキーパスでチャンスを呼び込んだ。攻守両方で貢献度が高かった。今大会を振り返っても、遠藤のパフォーマンスは常に傑出していた」

【3】「ヨシダは戦略家だ」

 最後にもうひとり、英メディアで手堅い評価を受けていたのが吉田麻也だ。『アスレティック』は「日本代表の3バックシステムにインスピレーションを与える中心的な存在だった。34歳のベテランDFがいなければ、日本代表は4試合で4失点という結果を出せなかっただろう」と、守備の柱を褒め称えた。

 そんな吉田について印象に残っているのが、英紙『タイムズ』に打ち明けたコメントだった。グループステージ突破を決めたスペイン戦後、吉田はドイツ、スペインと同居した「死の組」について次のように語ったという。

「98年のW杯フランス大会以降、強豪2カ国が同居したグループで、その両方が決勝トーナメントに進出した事例がないというデータを目にしていた。このデータを知っていたのは、自分だけだったと思う。突破を決めるまで、誰にも言わなかった。ある記事を読んでその事実を知り、自分の頭の中だけに留めておいたんだ」

 これまでW杯で優勝経験のある国は8カ国しかない(ブラジル5回、ドイツ4回、イタリア4回、アルゼンチン3回、フランス2回、ウルグアイ2回、イングランド1回、スペイン1回)。

 そのうち、優勝経験のある2カ国が1次リーグで同じ組に入った場合、その2国が同時に決勝トーナメントに進出した例は、現行のフォーマットになった98年以降これまでないという。

 例えば、02年の日韓大会ではイングランドと同じグループに入ったアルゼンチンが1次リーグで敗退。14年のブラジル大会では、イタリアとイングランドの両国が1次リーグで姿を消している。そして今大会では、スペインと同居したドイツが敗退となった。

 おそらく吉田は、ドイツやスペインに警戒心を持たせないためにこの事例をあえてメディアの前で口にしてこなかったのだろう。英メディアでも、日本が入ったE組について「2強2弱」と指摘する声はあったが、2強を差し置いて堂々の首位突破を決めたのは我らが日本代表だった。

 英紙『タイムズ』は「カタールに乗り込む前から、吉田はE組で番狂わせを演じるチャンスはあると考えていた」と報じ、戦略家としての顔を褒めていた。

不完全燃焼のカマダ…高い評価は変わらない

 そんな3人とは対照的に、英メディアでその活躍がほとんど伝えられなかったのが鎌田大地である。W杯開幕前は「日本代表のキーマン」に指名され、イングランド代表MFジョー・コールも鎌田のファンであることを隠そうとせず「素晴らしい選手」と褒めちぎっていた。

【次ページ】 不完全燃焼のカマダ…高い評価は変わらない

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