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リバティアイランドが見せつけた「名牝の予感」…阪神JF勝利後、川田将雅のコメントから感じた“ゆるぎない信頼”「もう負けることはないな、と」
text by
島田明宏Akihiro Shimada
photograph byPhotostud
posted2022/12/12 17:01
12月11日の阪神ジュベナイルフィリーズ(GI)を圧勝し、その力を見せつけたリバティアイランドと川田将雅
新馬戦ではJRA史上最速タイの末脚を見せていた
リバティアイランドは、7月の新馬戦でJRA史上最速タイの上がり31秒4という衝撃的な末脚で3馬身差の勝利をおさめた。つづくアルテミスステークスでは、馬群のなかで折り合わせるレースをしたところ、直線で前があかず追い出しが遅れて2着。どちらも川田が手綱をとった。
「前回は、今後やっていきたい競馬のためにも学びのある競馬にしながら、結果が出ればよかったのですが、負けてしまいました。ですが、そこで学んだことをこの大きな舞台で生かすことができました。来年に向けても、いい時間だったと思います」
前哨戦をトライアルとして有効に使ったと同時に、来春のクラシックとその先で飛躍するためのステップにしていたのだ。
ひとりの騎手が乗りつづけることのメリットを最大限に生かしてきた。
前2走はともに左回りで、今回が初めての右回りだったのだが、何の問題もなかった。
感じずにはいられない「名牝の予感」
前半800mが45秒2、後半800m47秒9という、乱ペースとも言える厳しい流れのなかを楽な手応えで進んだ。ラスト200mを切ってから、すなわち、本気を出してからの伸びは、見ている私たちにも「名牝の予感」を抱かせるのに十分なものだった。
父ドゥラメンテの産駒は、今年だけでタイトルホルダーが天皇賞・春と宝塚記念、スターズオンアースが桜花賞とオークスを勝つなど凄まじい勢いがある。
母ヤンキーローズはオーストラリア産。スプリングチャンピオンステークス(芝2000m)などオーストラリアのGIを2勝している。近親に京成杯などを勝ったビコーペガサス、CBC賞を制したシンボリグランなどがいる。スピードに秀でた母系と見てよさそうだ。