Sports Graphic Number SpecialBACK NUMBER
[無敵艦隊からの大金星]田中碧「現実になったワンチャンス」
posted2022/12/10 08:03
text by

戸塚啓Kei Totsuka
photograph by
Masahiro Ura
日本サッカー史に刻まれる大きな仕事を、田中碧はやってのけた。グループステージ初戦のドイツ戦に続いて、日本がスペインをも撃破する立役者となったのだ。
12月1日に行なわれたスペイン戦は、ドイツ戦をなぞるような展開となった。前半を0対1で折り返した日本は、後半開始から攻撃のギアを一気にシフトアップする。48分、前線からのプレスをきっかけに、堂安律の豪快な左足シュートで同点とした。スタジアムの空気が一変し、日本はさらにたたみかける。
51分、右サイドの伊東純也がペナルティエリア手前の田中へつなぎ、田中は右前の堂安へパスを通す。堂安がタテへ持ち出してグラウンダーのクロスを入れると、ボールはゴール前を横切る。ファーポスト際に飛び込んだ三笘薫が、ゴールラインぎりぎりで折り返す。
スペインのCBロドリは、ほんの一瞬だが足を止めた。ボールがゴールラインを割ったと判断したのだろう。その刹那に、田中はロドリの前へ出た。三笘の折り返しを、右足でプッシュしたのだった。
直後にVARチェックが入った。三笘が折り返す前に、ボールはゴールラインを割っていたのか――。田中は「出てるかな」と取り消しも覚悟したが、主審の笛は得点が認められたことを告げた。
こちらは雑誌『Number』の掲載記事です。
NumberWeb有料会員になると続きをお読みいただけます。
残り: 2220文字
NumberWeb有料会員(月額330円[税込])は、この記事だけでなく
NumberWeb内のすべての有料記事をお読みいただけます。
