話が終わったらボールを蹴ろうBACK NUMBER
森保ジャパン「死んだふり作戦」なのか…絶望的な前半、ハーフタイムのロッカールームで何を話した? 谷口彰悟の証言「スペインを惑わして…」
text by
佐藤俊Shun Sato
photograph byAFLO
posted2022/12/03 06:00
2010年W杯優勝のスペインから初勝利を挙げ、グループリーグ首位通過。試合後、歓喜に沸く三笘薫ら日本代表選手たち
ドイツ戦は浅野の逆転ゴールが83分だったため、残り時間、守備に集中することができた。一方、スペイン戦は逆転した後、試合時間が40分以上残っていた。しかし板倉滉が「スペインは守りを固められると容易に点が取れないのは分かっていました。逆に僕らは前の選手が逆転してくれたので、絶対に隙は作らないぞって集中して守備ができていた」と語るように、ブロックを作って守れば、いくらスペインでもそう簡単に崩されることはないと集中した守備が出来ていた。実際、相手がヘッドアップできないくらい激しくボールに行くなど、敗れたコスタリカ戦とは異なる守備の姿勢も見えた。
そしてアディショナルタイムは、ドイツ戦、スペイン戦ともに7分間だったが、最後まで集中して守り切った。
前半を「死んだふり」ともいえるほど地味に我慢してやり過ごし、最少失点で抑える。後半、選手を入れ替え、前から行くというマインドと選手の個性で流れを変える。同点にしてからはリスクを負って攻め、2点目を奪う。2試合同じ型での勝利によって選手は自信を膨らませ、決勝トーナメントに入って1点ビハインドとなった状態でも、それほど慌てることなく、戦えるだろう。
まだ、ベスト8という目標は達成できていない。
だが「勝利の再現性」を持つチームは、容易には負けない。
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