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三笘薫「環境に適応するストレスが…」 田中碧「ただ、やれる自信もある」カタールW杯で“スペインにリベンジ”東京五輪世代の輝き
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NumberWeb編集部Sports Graphic Number Web
photograph byAnadolu Agency/Getty Images
posted2022/12/02 11:03
W杯スペイン戦で大仕事をした三笘薫と田中碧
「オリンピックが不完全燃焼だったことは認めざるを得なくて、直後は悔しい気持ちでいっぱいでした。もう1回チャンスがあるなら、と思ったのは確かです。ただ、オリンピックを挫折だとは思っていないし、あれがあったから伸びたとも思いたくない」
三笘にとって、東京五輪は悔しさだけが残る舞台となった。大会前に負ったケガによって出場機会は限られ、スペイン戦はベンチ入りすらできなかった。そしてメキシコとの3位決定戦でゴールを決めたものの、すでにその時点で3点差をつけられている状態で、勝利に直結するものとはならなかった。
冒頭の言葉は、自身の2ゴールでW杯出場権を獲得した最終予選オーストラリア戦後の言葉だ。三笘は現在、世界最高峰のイングランド・プレミアリーグに挑み、メガクラブ相手にもゴールを挙げるなどブライトン躍進に一役買っている。厳しい局面での戦いが、その圧倒的なドリブルをさらに輝かせている。
1年前の五輪スペイン戦で田中碧が語っていた手応え
<名言3>
スコア以上に差を感じたゲームだったのかなと。ただ、やれる自信もある。そこは負けたなかでも数少ない収穫でした。
(田中碧/NumberWeb 2021年8月4日配信)
https://number.bunshun.jp/articles/-/849237
◇解説◇
五輪史上初となる決勝進出を――。意気軒昂のU-24日本代表の前に立ちはだかったのは、スペイン代表だった。十八番のポゼッションにも日本は辛抱強く守備ブロックを形成したものの、延長後半の115分に途中出場のマルコ・アセンシオに痛烈な左足シュートを被弾し、悲願はついえた。
ただ、その試合で日本は“やられっぱなし”だったわけではない。スペインの現地紙『マルカ』も「時間を使わされていた」と日本のゲームプランにハマっていたことを指摘していたし、実際にプレーしていた選手も、差は感じながらも手ごたえは感じていたようだ。ただ……それが1年後のカタールW杯への“伏線”になるとは誰が想像しただろうか。
W杯の大一番で決勝ゴールをねじ込んだ田中は、中村憲剛や大島僚太、守田英正ら誰もが代表クラスと言って過言ではない川崎フロンターレの中盤で切磋琢磨してきた。そんな田中が東京五輪世代で存在感を放ち始めたのは、2019年のトゥーロン国際大会だった。