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三笘薫18歳“フロンターレ昇格ではなく大学進学”、南野拓実18歳「J1で2ケタ得点」できず悔やんだ日…日本代表の「多感な青春時代」
posted2022/12/26 17:07
text by
NumberWeb編集部Sports Graphic Number Web
photograph by
Kiichi Matsumoto/JMPA
<名言1>
全然ダメです。自分が二桁取っていれば、順位は変わっていたと思うし、優勝も狙えたかもしれない。
(南野拓実/NumberWeb 2013年12月12日配信)
https://number.bunshun.jp/articles/-/767948
◇解説◇
カタールW杯で日本代表のナンバー10を背負ったのは、南野拓実である。いわゆるリオ五輪世代において、南野はU-16日本代表時代からエースとして世界との戦いに挑み続けてきた。
さらにセレッソ大阪の下部組織所属時代からアタッカーとしての才能を発揮。高校・ユースが年間で戦う高円宮杯プレミアリーグでは高2にして9得点、翌2012年には16得点を挙げ、その年にトップチーム2種登録されると、天皇杯で公式戦初ゴールを挙げるなど実力の片りんを見せた。
そして正式にトップ昇格した2013年、高卒ルーキーとしてクラブ初の開幕スタメンを飾ると、レヴィー・クルピ監督の積極起用もあってリーグ戦29試合5ゴール。ナビスコ杯(現ルヴァン杯)でも8試合3ゴールをマーク。このシーズン、Jリーグのベストヤングプレーヤー賞に輝いた。
チームもこのシーズン、J1リーグ4位でフィニッシュ。南野は躍進の一端を支えたといってもいい。しかし自身の結果にはこのように話していた。
「ゴールという数字には、ユース時代からずっとこだわってきたので、5点というのは本当に物足りないです」
南野がリーグ戦初ゴールを挙げたのは7月、さらにヒザの負傷もあったためゴール数を伸ばすことができなかった。そこを18歳にして物足りないと言ったのは、主力としての自覚があったからこそだろう。
5ゴールのうち2ゴールは、最終節で翌シーズンのアジアチャンピオンズリーグ出場権を争った浦和レッズ相手に決めたもので、大きな価値があったといっていい。それでも「自分の思うようなゴールを奪えたのは良かったですけど、まだまだ足りないものだらけです。この試合でももう1、2点は取れていた。決定力が足りないですね」と貪欲な姿勢を見せていた。
リバプールで記録したシーズン公式戦2ケタ得点
南野は2014シーズン後、ザルツブルクへと旅立つ。ここで実力を蓄えてUEFAチャンピオンズリーグ、リバプール戦で豪快なゴールを決めたことをきっかけにリバプールの一員となった。加入後はサラー、フィルミーノ、マネという強力3トップの前に序列を覆せず、ローテーション要員として起用された。しかし21-22シーズンにはリーグ杯5試合4得点、FA杯4試合3得点でチームのカップ戦2冠獲得に貢献。公式戦通算でも20試合10得点とシーズン2ケタに乗せた。
迎えたカタールW杯では4試合ともにベンチスタートとなったものの、ドイツ戦では堂安律の同点ゴールを導き出すチャンスメイクを見せた。クロアチアとのPK戦では1人目のキッカーとして悔しい思いもしたが、欧州各国リーグ再開後、その鬱憤を今季から所属するモナコで晴らすことはできるか。