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堂安律「ナメられていた時期を今でも思い出す」、浅野拓磨「サッカーを辞めるまで…」W杯ドイツ戦逆転勝利、立役者の“反骨心”
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NumberWeb編集部Sports Graphic Number Web
photograph byKaoru Watanabe/JMPA
posted2022/11/24 11:03
ドイツ戦、殊勲の同点ゴールを挙げた堂安律
2010年に欧州移籍を果たした長友は現在FC東京に所属しているが、10年を超える長期間にわたってヨーロッパで戦ってきた。特に長友を語る上で欠かせないのは、イタリアのチェゼーナ加入からわずか半年で名門インテルに移籍したことだろう。ただし注目度と比例するかのように痛烈な批判を浴びることもあり、チーム内競争では何度も苦しい立場に追いやられた。
「どれだけ追い込まれても這い上がる。その自信がどんどん大きくなって、ブレないものとなってピッチで表現されると思うんです」
それでもこう語る通り、長友はタフに主力を張り続けているのだ。
ジャガー浅野が語っていた「サッカー選手である以上…」
<名言3>
サッカー選手である以上、サッカーを辞めるまで成長していかなければならない。
(浅野拓磨/Number895号 2016年2月4日発売)
◇解説◇
ドイツ戦で日本どころか世界中に最も衝撃を与えたのは、浅野の決勝ゴールだろう。
前田大然との交代でピッチに入った浅野は、持ち前の俊足を生かしてシュートチャンスをたびたび作る。それが実ったのが後半38分のこと。板倉滉の後方からのロングパスをマイボールにしてゴール右へと侵入すると、角度のないところからノイアーの守る“ニア上”を痛烈にぶち抜いて、決勝ゴールをゲットした。
9月に右ひざに大ケガを負い、直前までW杯出場すら不安視された浅野だったが――ピッチ内だけでなく控え選手全員とともに歓喜の輪を作ったのちに、お得意の“ジャガーポーズ”。まさに真骨頂の一撃だった。
浅野はこれまで、大一番でとてつもない結果を出してきた。カタールW杯アジア最終予選でも、負ければW杯出場権が遠のくオーストラリア戦で、決勝点を誘発する一撃を放った。最終ラインからのロングボールを俊足を生かして持ち込み、ゴールに結びつける。強引にでもシュートチャンスを作れるその特性は“飛び道具”として十分に機能している。さらにその4年前のロシアW杯最終予選でも同じくオーストラリア相手にゴールを奪ってW杯出場権獲得に大きく貢献してもいる。
それは、2016年のリオ五輪アジア最終予選でもそうだった。