スポーツ名言セレクションBACK NUMBER
堂安律「ナメられていた時期を今でも思い出す」、浅野拓磨「サッカーを辞めるまで…」W杯ドイツ戦逆転勝利、立役者の“反骨心”
posted2022/11/24 11:03
text by
NumberWeb編集部Sports Graphic Number Web
photograph by
Kaoru Watanabe/JMPA
<名言1>
反骨心という言葉だけじゃ収まりきらない、自分の内から湧きあがる感情がすごくある。
(堂安律/Number961号 2018年9月13日発売)
◇解説◇
その左足が世界最強GKマヌエル・ノイアーを打ち破った。
11月23日、カタールW杯グループステージE組、ドイツとの初戦に臨んだ日本代表は、前半33分にPKで先制点を奪われるなど前半は苦しい展開になった。しかし後半開始から森保一監督が採用した〈3-4-2-1〉システム、そして交代策がことごとく機能し、2-1で逆転勝利。過去優勝4回の強豪国相手に勝ち点3をもぎ取った。
この“ドーハの歓喜”を導く先鋒となったのが、堂安だ。後半30分、三笘薫のチャンスメイクから南野拓実が折り返したこぼれ球に反応し、堂安が蹴り込んだ。今シーズン所属するフライブルクで好調をキープする24歳が、日本代表に勇気と勢いをもたらした。
そんな堂安は2017年、ガンバ大阪からオランダのフローニンゲンに移籍。ヨーロッパでの戦いを10代の頃から続けている。
「僕は『ニーハオ、ニーハオ』と言われて舐められていた時期を、今でも思い出すんです」
こんな感じで相手チームの選手からコケにされたこともあったという。
だからこそ「技術よりもメンタルが伸びた」という自負もあるが、このようにも語る。
「一方で僕は自分の不甲斐なさも分かっている。馬鹿みたいに反骨心だけで、勢いでやるだけでは外国人に勝てない。自分に足りないところを毎日、僕はしっかり振り返ってます」
ドイツ戦のゴールもそうだが、熱さとともに冷静さも兼ね備えているのだ。
叩かれたからと言って二度と立ち上がれなかったら…
<名言2>
叩かれたからと言って二度と立ち上がれなかったら、そこで終わり。
(長友佑都/Number990号 2019年11月14日発売)
◇解説◇
36歳のベテランが、4度目のW杯でもキッチリと仕事をした。左サイドバックで先発した長友は後半12分までプレーし、ドイツの猛攻にさらされながらも必死のディフェンスを見せた。この日の出場でW杯は12戦目。川島永嗣、長谷部誠と並んでいたW杯出場11試合を更新した。
序盤戦に不調だったカタールW杯アジア最終予選で、長友は“衰え”を指摘されるなど大きなバッシングを受けた、それでも「みなさんの素晴らしい批判は、エネルギーでガソリンです」と語るなど、強靭なメンタルで現代表でも存在感を見せている。