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「W杯落選にちゃんと落ち込んだ」FW岡崎慎司36歳は今、何してる?「インサイドハーフにトライして」「期待するのは鎌田大地と…」
text by
中野吉之伴Kichinosuke Nakano
photograph bySTVV
posted2022/11/22 11:03
今季からシント・トロイデンの一員となった岡崎慎司。W杯前のタイミングで直撃取材に応じてくれた
「あのときのメンバーだとタケ(久保建英)と上田綺世、あと前田大然とかですね。あの大会、本来僕は試合に出ない予定だったんです。ただ、初戦でチリに0-4で負けたこともあって、それで僕と永嗣(川島)さんが出ることになった。当時、彼らはまだJリーグでプレーしていましたが、移籍をするなどして成長してきたと思います。
FWはやっぱり結果がすべて。上田と前田の2人に関しては、しっかりと結果を残して、ここまで辿り着いたと思います。2人とも、わかりやすい武器を持っている選手ですから。上田は動き出しの良さと体の強さ、シュートの上手さがある。ヨーロッパの選手みたいなシュート感覚を持っています。前田はスピードという大きな武器を持っているので、そこを磨いてきたって感じですね。
逆にタケは、チームが守備的なスタイルを取るなか、それでも自分の特徴を出せるかというのが課題だったと思いますが、ここ最近のプレーを見てると、どの戦い方になっても自分を出せているのが印象的です。
若いからというのもあるんだろうけど、僕もそうでしたが、やるべきことを受け入れて取り組んでいるやつが結局は残っているのかなと。自分に何ができないかという課題とも向き合ってきたから、みんないまがあるんだと思います」
冨安、板倉についても成長を実感している
ともにコパ・アメリカを戦い、成長著しい板倉滉と冨安健洋はどうだろう?
「冨安はアーセナルで重要な戦力ですし、板倉はびっくりするぐらいやれるようになったと思います。あのときはまだボランチに慣れていない感じでしたが、感覚的にはいい読みを見せていたし、不器用そうで器用というか、堂々とプレーしている感じはありましたね。怪我をしてなかったら、今シーズンも所属クラブでかなり活躍していたんじゃないかなと思います。それと、今回はメンバーに入らなかったけど、三好(康児)もアントワープというベルギーの名門でプレーしています。ヨーロッパで活躍する選手が増えてきていて、新しい時代が来ているなと感じています」
若手がヨーロッパに活躍の場を求め、思い通りにいかないことに苦しんだり、イメージと違う成長曲線に悩んだり、習慣や文化の違いに葛藤を抱いたり、それでも自分のポテンシャルを信じて、自分の立ち位置を受け入れて、自分の課題と向き合って、所属クラブでポジションと信頼を勝ち取り、代表戦士としてW杯の舞台へ立つ資格を手に入れた。
岡崎自身も、そうやって欧州でがむしゃらに戦い抜いてきたからこそ、彼らの大変さと素晴らしさを誰よりも理解している。
だから、夢を託す。そして、心から応援する。
「いろんなものを背負いすぎて『日本のために!』とかではなくて、自分たちのために、この素晴らしい国際舞台で結果を残すために、グループステージ3試合を戦って、まずはグループステージを突破して、そしてベスト8という目標を目指してほしいですね」
<#1、#2からつづく>