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ヤクルト山田哲人、シリーズ2戦5三振も高津監督は3番起用に迷いなし…WBCイチローに通じる起死回生「まあ打ちますよ、そのうち…」
text by
鷲田康Yasushi Washida
photograph byHideki Sugiyama
posted2022/10/24 20:00
日本シリーズ2戦で9打数ノーヒット5三振と不調のヤクルト山田哲人。ミスター・トリプルスリーの逆襲はあるのか…
「短期決戦ではハマる選手が必ず出てくる。いい方にハマればラッキーボーイ。でも悪い方にハマった選手はどんどんドツボに落ちていく。そういう選手の扱いは徹底することしかない」
北京五輪で日本代表を指揮した星野仙一監督から、こんな話を聞いたことがある。そういう選手の起用法は2つに1つだ。
「スパッと先発から外してもう使うのを諦めるか、それとも最後まで心中するか。中途半端に打順を変えても、必ずその選手のところにチャンスが巡ってきて、むしろ悪い方に転がる。選手も苦しいけど、使う方の監督も苦しいぞ」
高津監督に山田”3番起用”の迷いなし
まさに2戦までの山田は短期決戦で悪い方にハマった典型例だが、ヤクルト・高津臣吾監督は舞台を大阪に移した第3戦以降も、山田の3番起用に迷いはないようだ。
「まあ、そんなに悪くはないんですけどね」
シリーズ第2戦の試合後の会見。これで10打席で9打数無安打、5三振1四球となった山田の打撃に質問が飛ぶと、指揮官は淡々と状態を分析した。
「どこか体の開きとか何かがあるのかもしれないですけど、スイング自体は強く振っている。まあファウルになることは多いですけど……」
高津監督の選択は、どんなに結果が出なくとも山田はこのまま3番で使い切るという決意のようだ。
ただ使う監督も苦しいし、使われる山田も苦しい。キャプテンとして、チームリーダーとしての責任感もあるし、苦悶のシリーズとなっているのは確かだ。だが、そこで大事なのは何かを変えることではなく、普段の自分を取り戻すことに集中することなのである。
そこでもう一つ、思い出すのは第2回ワールド・ベースボール・クラシック（WBC）で侍ジャパンを率いた原辰徳監督の言葉だった。
