――新井選手がレッドカードをもらった昨夜のゴリツァ戦（10月2日）の試合後、チョップが「100%やったんだから退場の件は謝らなくていい」と慰めているのを私も目にしました。

　はい、めちゃくちゃ嬉しかったです。彼は優しいですし、頼りがいのある選手ですね。

クロアチアの選手は「基本的にテンションが高い」

――以前からヨニッチのことを知っていましたが、クロアチアの人たちの印象は変わりましたか？

　基本的にテンションが高いですよね。ヨニッチはリーダーシップを取る熱い男でしたが、テンションは別に高くなかったです。多分、ヨニッチは日本だから高くないだけで「こっちに来たらかなり話すやつなんだろうな」と思いますよ（笑）。

――言葉の壁で？

　そうです、言葉の壁で。僕は日本ではうるさかったのに今はめっちゃ静かだから、クロアチア人はおそらく僕のことをおとなしいと思っているんですよ（笑）。

――そうなんですか（笑）。でもキャンプ中の写真を見てもクロアチア人の間でなじんでいる感じがします。

　もともと性格的に明るいし、「まあ、なんでも大丈夫っしょ」というメンタルですからね。

インタビュー中、シベニク名産の干しイチジクを食べながら　©Yasuyuki Nagatsuka

――第6節では浦田樹さんが所属するバラジディンと対戦し、日本人対決が実現しました。それも同じサイドでのマッチアップになりましたよね？

　あの試合は自分の中でも意識していました。開幕前から「バラジディンの試合はいつかな？」とか「樹さんは試合に出ているかな？」などとチェックをしていたんです。

――面識は初対戦するまでなかったのですか？

　移籍前に「セレッソからシベニクに移籍します。試合の時はよろしくお願いします」というメッセージを送って返事をもらいました。試合当日に「はじめまして」と挨拶し、試合終了後には15分ほど話をしましたよ。久しぶりに対面で日本人と日本語を話せることはとても嬉しかったです！　クロアチアのチームメイトからは「ハルキは日本語で話していると幸せそうだね」と言われて「いやあ、もちろんでしょ！」と（笑）。

――あの試合でチームメイトが同点のPKを獲得する場面は、新井さんが右サイドで俊足を飛ばし、外からえぐってペナルティエリアにパスを送った直後でしたよね。

　自分の得意なプレーが出せたし、試合前からかなり燃えていましたね。樹さんにボールが入った時には今まで以上にスピードを速くしてプレッシャーをかけました（笑）。クロアチアのメディアも絶対に「日本人対決」で注目していたでしょうし、自分に気合を入れていましたよ。

【次ページ】　「けっこうエグいわ！」各国代表クラスと日々対戦