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「クボは戦える+鬼気迫るプレー」決定機逸もソシエダサポ“交代後の拍手”が示す高評価…久保建英vs古巣マジョルカを撮った
posted2022/10/22 17:04
text by
中島大介Daisuke Nakashima
photograph by
Daisuke Nakashima
週中に行われたラ・リーガ10節、レアル・ソシエダはホームにRCDマジョルカを迎えての一戦となった(撮影の様子は【新着写真】からご覧になれます)。
1カ月後に迫るカタールW杯が、シーズン半ばに行われるゆえのイレギュラーな日程に加え、今季ヨーロッパリーグも戦うソシエダにとっては超過密日程が続いている。
その中で、月初の代表ウィーク明けから苦しい試合も勝ちきり、連勝を続けるチームにおいて――久保建英はポリバレントな選手、なにより戦える選手として評価を高めている。久保にとってマジョルカは、過去2シーズンを過ごした古巣である。どのようなプレーを、どのような表情を見せるのか、ぜひ撮影したい試合だった。
古巣相手に、にこやかに、目の奥には闘志を
キックオフは平日20時、その1時間ほど前にスタジアム周りを散策する。
チュレリア(チュロス屋)から漂う香ばしい揚げたてチュロスとチョコレートの匂いが出迎えてくれる。スタジアムに隣接するアノエタ駅からたくさんのユニホーム姿のサポーターが闊歩する。チームの調子を表すように、集まったサポーターの姿は賑やかでにこやかだ。
前節より中2日で迎えたこの試合でも、久保はスターティングイレブンに名を連ねた。アップのためピッチに姿を表すと、マジョルカチームの方へ視線を向け、笑顔を浮かべながらランニングを始めた。選手入場時には、にこやかに、そして目の奥には闘志を浮かべて元チームメイトと健闘を誓い合う姿が印象的だった。
挨拶がわりの全力プレスが植え付けたもの
トップに入った久保は、開始早々全力で相手DFラインにプレスをかけ、前方へのフィードを防いでいる。久保にとっては挨拶がわりのプレーだったかもしれないが、マジョルカのDFラインにとっては嫌なイメージを刷り込ませるものだった。
さらには5バックと分厚い壁を引く相手に、裏抜けからダビド・シルバのパスを引き出して最初のチャンスを作り出した。
ソシエダの波状攻撃は続き、ボックス内でメリノのパスを受けた久保がマイナス方向へパスを送る。走り込んだブライス・メンデスが打ったシュートは弾かれてコーナーキックとなったが、このコーナーからミケル・メリノが頭でゴール。開始4分での先制点奪取となった。ソシエダの圧勝すら予想させる早い時間での先制点であり、一連の流れだった。