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Jをめぐる冒険BACK NUMBER
「川島永嗣さんはマジで凄い」「30なんて、始まったばっかでしょ」シュミット・ダニエルが語る“世界的GK”とW杯への思い
text by
飯尾篤史Atsushi Iio
photograph byKiichi Matsumoto
posted2022/10/29 11:01
エクアドル戦でのシュミット・ダニエル。自身にとって初となるW杯出場に向けて、ベルギーの地で研鑽に励んでいる
――シント=トロイデンの立石敬之CEOは「ダンはベルギーで非常に評価されている。ただ、国籍が日本だし、GKというポジション柄、移籍はなかなか難しい」と話していました。その難しさは自分でも感じる?
「感じますね。昨シーズン、特に後半戦はいいシーズンを送れたので、アピールになったかなと思って夏のマーケットを迎えたんですけど、オファーはないから、やっぱり難しいなって。まだまだ足りないんだな、もっと頑張ろうと思いましたけど。日本人のGKがヨーロッパで求められるのって、並大抵のことじゃないというか。壁はすごく高いんだなと感じています」
永嗣さんはマジで凄いです
――そういう意味では、川島永嗣選手はよく頑張っていますよね。ベルギーのリールセを皮切りに、スタンダール・リエージュ、スコットランドのダンディー・ユナイテッド、フランスのメスとストラスブール。3カ国5チームでプレーしています。
「マジで凄いです。まず何チームも入団している時点で凄い。代表で会っても、いつもコンディションが良さそうで、キレッキレ。自分とすごく向き合っているんだろうな、だからこそ、いろんなチームから求められるんだろうな、っていうことを毎回、痛感させられます。僕も永嗣さんみたいにヨーロッパでいろんなステップを踏みたいと思ってこっちに来たんですけどね」
――今以上にストイックに自分と向き合わないと難しい?
「難しいですよね。語学の面もそうだし。そこもかなり大きいですね。永嗣さんは何カ国語も喋れますから」
――シュミット選手も英語はペラペラなのでは?
「英語は、いけます(笑)」
――ドイツは外国人枠がないから、移籍できるといいけれど、GK大国のクラブが日本人にGKを任せるのか、という面はあるでしょうね。
「本当にその通りです。わざわざ日本人のGKを獲らなくても、若くていいGKがどんどん出てくるのがドイツ。そこに打ち勝つって、難しいですよね」
――でも、シント=トロイデンでヨーロッパのキャリアを終えたくないわけだから、そこへのチャレンジはし続ける?
「そうですね。それが今のモチベーションですね」
“GKウォッチャー”として、注目の守護神は誰?
――プレーしてみたいリーグは?
「完全に理想ですけど、一番はやっぱりプレミアリーグですね。あと、GK大国と言えばドイツなんですけど、スペインにもうまいGKが多い。ポジショニングもすごく細かくて、ちゃんとしているんですよね。ドイツのハイライト映像を観ると、たまにしょうもないミスをするGKがいるんですけど、スペインはそういうGKがほとんどいない気がする。スペインとかイタリアとか、ラテンの国に住んでみたいという気持ちもあるし(笑)。だから、順位をつけるとすれば、今はイングランド、スペイン、ドイツ、イタリアの順番ですかね。でも、行けるならフランスでも最高ですけど(笑)」