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Jをめぐる冒険BACK NUMBER
「川島永嗣さんはマジで凄い」「30なんて、始まったばっかでしょ」シュミット・ダニエルが語る“世界的GK”とW杯への思い
posted2022/10/29 11:01
text by
飯尾篤史Atsushi Iio
photograph by
Kiichi Matsumoto
――流れの良さという点で言えば、19年1月のアジアカップ終了後、3月と6月に2試合ずつ親善試合が組まれていて、そのうち3試合でシュミット選手がスタメンだったんですよね。ボリビア戦、トリニダード・トバゴ戦、エルサルバドル戦。
「そうでしたね」
――アジアカップでレギュラーだった権田修一選手は所属クラブで試合に出られていなかったこともあって、シュミット選手に流れが来ていたのかなと。ところが、W杯アジア2次予選開幕直前の19年9月のパラグアイ戦を負傷で回避することになった。あのときはどこを傷めたんですか?
「試合前日のセットプレーの練習で、タケ(久保建英)に直接フリーキックを決められたんですけど、そのときダイブしてポスト前を通過したんですよ。そこで踵がポストにガンと当たって。めっちゃ腫れて、歩くのも痛くて。これは厳しいなと思って、パラグアイ戦を休んだんですよね」
――当時、森保一監督の期待の高さは感じていた?
「期待されているというより、試されている感じはしました。どれくらいできるのかと。そういうのは感じていましたね」
割り切れるようになってきました、ようやく
――結果、2次予選から最終予選まで権田選手がゴールを守りました。もし、パラグアイ戦に出ていたら、W杯予選を経験できていたかもしれないな、という思いは?
「出られるなら、出ておきたかったですけど、それがどう転がるかは分からないですね。そこは『たら・れば』なので。なんとも難しいところです」
――それ以降も、要所要所でチャンスを得てきたものの、20年11月のメキシコ戦や、22年6月のチュニジア戦など、重要なゲームで結果を掴めなかった。もどかしさもありましたか?
「自分が目立った試合はほぼなかったし、たしかにメキシコ戦はデカかったかなって思います。僕にとって初めての、骨のある相手とのAマッチだったので。本気のメキシコって、日本に親善試合をしに来る南米のチームとは全然違うじゃないですか。そういう相手に対して前半は日本のペースだったけれど点が入らず、後半に相手に与えた最初のチャンスで決められてしまった」
――GKだけの責任ではないけれど、何とか結果を手繰り寄せていれば、序列を変えられたかもしれない?
「そうですね。ただ、シュートを止める可能性を上げることは、日々の練習でトライしていますけど、それ以外は運の要素も強いので。その試合で相手がどんな調子なのか、どこにどんなボールが来るかは、運のところもある。だから、難しいですね」