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川平慈英16歳 “国立ピッチ乱入→マラドーナ抱きつき伝説“がまるでドラマ「目が合った瞬間に…」60歳の野望はネトフリで世界進出?
text by
飯尾篤史Atsushi Iio
photograph byJay Kabira
posted2022/09/23 11:07
高校生だった川平少年は日本開催のワールドユースでスターになったマラドーナに魅了された。写真はプロを目指していた米大留学時代
サッカーのプレーヤーとしてはほとんど休業中だが、観戦者としてはもちろん現役だ。来るべき11月のカタールW杯も楽しみで仕方がない。川平はテレビ朝日のW杯中継でナビゲーターとして番組進行役を務める予定だ。
「テレビ朝日が10試合を生中継するんですけど、日本戦では第2戦のコスタリカ戦(11月27日)の放映権を持っているんですよ。それでジョンのフジテレビが3戦目のスペイン戦(12月2日)。なんとかジョンのスペイン戦まで繋げたい。ドイツとの初戦(11月23日)はみんなでスポーツバーを借り切って、盛り上がろうかな(笑)。
ドイツとスペイン、こんな美味しいマッチアップはないですよね。サイコーだよ! 5回戦ったら4回は負けるかもしれないけど、1回の勝利を11月に持ってこられるかどうか。還暦でW杯を迎えるなんて、僕にとって最高のフィエスタですね」
プロデュース作品をNetflixで世界配信!?
情熱は衰えを知らず、60歳となって最初の舞台では、自身のプロデュース作品にも取り組む。
10月29日、30日に開催される『BRIDGE OF THE RAINBOW2022 デイゴの花言葉~子どもの笑顔はたいようの色~』は、第1部が多彩なゲストによるオムニバスショー。第2部では川平が原作を担った絵本『たいようがわらってる』を題材にしたリトルミュージカルが上演される。
沖縄本土復帰50年の節目の年に、川平が沖縄で過ごした少年時代のストーリーが舞台化されるのだ。
「第2部は僕がプロデュースをするんです。今、稽古中です。子どもたちもオーディションで選びました。今の時代、どの子もうまくて、ソツなく演技するんですけど、そういう子より、粗削りなんだけど、歌って踊ることが気持ちいい! 楽しい! そんなパッションが伝わってくる子を選びました」
川平は子どもたちに、かつての自分を重ね合わせたのかもしれない。
やりたいことは、まだまだたくさんある。
「『たいようがわらってる』を映像化したいんです。沖縄、戦争、戦後。防空壕の話、友情の話、そんな時代を生き抜いたおじいちゃんの話って、普遍的なことなので。だから、映像化して、映画にして、さらにNetflixで世界中に配信(笑)。とんでもない野望! でも、言霊ってあって、言ったほうが実現するんですよ。魂みたいに浮遊して、誰かの目に触れるんでしょうね。江戸時代だったら、60歳なんて死んでますよ。だから、やりたいことは、どんどん発信して、実現していきたい」
60代もこれまで通り、川平慈英は駆け抜けるつもりだ。常に全力で、ときにトゥーマッチだった50代半ばまでとは違い、肩の力を抜いて、てーげー精神で――。
(完・全3回)
[撮影協力]Stylist/Emiko Seki Hair&Make/Hidenobu Morikawa(NOV hari&make)
[衣装]ジャケット/DESCENTE PAUSE シャツ/DESCENTE ddd(ともにDESCENTE BLANC DAIKANYAMA)
記事内で紹介できなかった写真が多数ございます。こちらよりぜひご覧ください。