甲子園の風BACK NUMBER
あなたも絶対に聴いた“あの応援曲”が新たな魔曲に? 夏の甲子園ブラバン秘話…ジョジョ&鎌倉殿の大阪桐蔭、「山田陽翔用の新曲」近江も!
text by
梅津有希子Yukiko Umetsu
photograph byJMPA
posted2022/08/23 11:00
夏の甲子園が終わった。今年印象に残った応援を振り返ってみたい(写真は準優勝の下関国際)
山田陽翔のために…顧問「本校のスター選手」
3回戦から取り入れた『On the Stage』と『Field Star』は、山田陽翔選手のために、滋賀県出身の作・編曲家の郷間幹男氏が書き下ろした。吹奏楽部顧問の樋口心氏もこう話す。
「プロからも注目されているエースの山田は、本校のスター選手。今後代々受け継がれていくようなオリジナル曲を作りたいと思い、滋賀出身の作・編曲家の郷間幹男さんにお願いしました」
樋口氏からの依頼を受け、ひと晩で書き下ろしたという郷間氏は、曲に込めた思いを次のように語る。
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「『On the Stage』は、『山田くんが登場』『高校野球の聖地に立つ』という意味合いを込め、相手にゆっくりと圧をかけるように、同じフレーズを繰り返すのが特徴です。続く『Field Star』は、甲子園のスターである山田くんに『打ってほしい』という願いを込めて作曲しました」(郷間氏)
山田選手のために作られた、近江高校初のオリジナル曲は、今後も強打者の打席で受け継がれていくことだろう。
通常、大会期間中に応援曲を追加するのは大変なこと。センバツで準優勝に終わった野球部とともに闘う吹奏楽部の、「夏こそは頂点に!」という意気込みを感じた。
同様に、大阪桐蔭も期間中に応援曲をさらに追加。社も、同校OBであるトータス松本氏がボーカルを務めるウルフルズの『バンザイ~好きでよかった~』を2回戦で追加するなど、勝ち進むたびに応援に工夫をする学校が増えていることを実感した大会となった。
ブラバン応援が復活し、選ばれた学校だけが演奏できる、甲子園のアルプススタンド。似たような応援曲を演奏する学校が多いからこそ、個性豊かな応援を繰り広げる学校がさらに増えることを期待したい。
記事内で紹介できなかった写真が多数ございます。こちらよりぜひご覧ください。