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巨人“2度のメークV”や大谷翔平の日本ハムを上回るか「ハマスタ17連勝で17.5差→4差」ベイスターズが挑む“史上最大の逆転優勝” 

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広尾晃

広尾晃Kou Hiroo

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posted2022/08/23 06:00

巨人“2度のメークV”や大谷翔平の日本ハムを上回るか「ハマスタ17連勝で17.5差→4差」ベイスターズが挑む“史上最大の逆転優勝”<Number Web> photograph by Kyodo News

本拠地・横浜スタジアム17連勝で首位ヤクルトと4ゲーム差。ここにきてのベイスターズの勢いは凄まじいものがある

<1996年 セ・リーグ>
・7月6日
広島45勝24敗0分率.652 差  ‐
中日36勝31敗0分率.537 差 8.0
ヤク34勝35敗0分率.493 差 11.0
巨人34勝36敗0分率.486 差 11.5

 広島が2位に8ゲーム差をつける。巨人はこの時点で負け越し。この日、自力優勝が消滅した。

・10月6日
巨人76勝53敗0分率.589 差  ‐ 優勝
中日72勝56敗0分率.563 差 3.5
広島71勝59敗0分率.546 差 5.5
ヤク61勝68敗0分率.473 差 15.0

 巨人は、8月6日からの阪神3連戦を全勝して勢いに乗り1カ月で広島に4ゲーム差まで迫る。100試合目の8月20日には首位に立ち10月6日に優勝。ガルベスと斎藤雅樹が16勝で最多勝を分け合い、松井秀喜がMVPに輝いた。

 セ・リーグ最大の逆転劇は2008年の巨人である。

<2008年セ・リーグ>
・7月8日
阪神51勝23敗1分率.689 差  ‐
中日38勝35敗3分率.521 差 12.5
巨人39勝37敗2分率.513 差 13.0
広島34勝35敗4分率.493 差 14.5

 この日、阪神に「CS進出マジック55」が出る。対照的に原辰徳監督の巨人は自力優勝が消える。阪神には楽勝ムードが漂ったが……。

・10月10日
巨人83勝57敗3分率.593 差  ‐優勝
阪神81勝58敗3分率.583 差 1.5
中日71勝67敗5分率.514 差 11.0
広島69勝70敗5分率.496 差 13.5

 巨人は9月11日から1引き分けを挟んで12連勝、8月以降阪神戦は7勝2敗と圧倒。13差からの逆転は史上2番目。「メークドラマ」の再来「メークレジェンド」と言われた。

 MVPにはヤクルトから移籍したアレックス・ラミレス。最多勝はセス・グライシンガーと外国人選手が大活躍した。

大谷翔平の二刀流が逆転劇を生んだ2016年

 2016年のパ・リーグは、大谷翔平の「二刀流」がフル回転して逆転劇を生んだ。

<2016年パ・リーグ>
・6月18日
ソフト43勝17敗5分率.717 差  ‐
ロッテ40勝27敗1分率.597 差 6.5
日ハム34勝31敗1分率.523 差 11.5
西  武30勝35敗2分率.462 差 15.5

 交流戦で優勝したソフトバンクが大差で首位に立つ。和田毅、武田翔太に加えて育成上がりの千賀滉大がローテを維持し、安定感は抜群だった。

・9月28日
日ハム86勝53敗3分率.619 差  ‐優勝
ソフト82勝53敗6分率.607 差 2.0
ロッテ70勝67敗3分率.511 差 15.0
西 武64勝76敗3分率.457 差 22.5

 日本ハムは交流戦中の6月19日から球団記録の15連勝。二刀流・大谷翔平の活躍で追い上げる。大谷は9月28日の西武戦で、花巻東の先輩、菊池雄星に1-0で投げ勝って胴上げ投手に。MVPは大谷、中田翔が打点王、レアードが本塁打王に輝いた。

【次ページ】 10ゲーム差以上の逆転劇はほかにも3例

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