「開幕から今永（昇太）がいなかったことや新型コロナなどで大変な状況ではありましたが、それにより結果的に競争が激化しました。たしかに序盤は数字に表れなかったものの、選手個々の積み重ねにより状態が良くなっていったというのはあると思います。加えて選手たちはもちろん、チームには優秀なアナリストやピッチングをデザインするスタッフがおり、わたしとしてもコミュニケーションをとることができたので、1年目のコーチとしては有意義な時間を過ごせたと思っています」

今永(中央)の不在により結果的に競争が激化　©Nanae Suzuki

　今後の試合を踏まえ、戦略上、細かい配球や打者への対策については言及することはなかったが、先発陣がゲームを作れるようになってきた要因を次のように語った。

「やはり最近の打者は適応能力が高いというか、1巡目は抑えられても、2巡目3巡目になると確実に対策を立てられてしまう。そこにいかに対応するかの勝負になるわけですが、その意識が先発陣に根付いてきた部分もありますし、わたしも常にそこは刺激をしてきました。いつも言うのは『イニングを少しずつ伸ばして行こう』ということですね」

斎藤コーチが先発に要望した“2つのこと”

　では、イニングを伸ばすためにはどうすればいいのか。齋藤コーチは先発陣に、2つのことを要望したという。

「ひとつ目は『取れるアウトをしっかり取ること』。これはピッチングはもちろんのこと守備力も含めてです。ピッチャー周辺の打球の処理など、この数カ月、細かく言ってきました。

【次ページ】　チームの中心となる大貫、今永は「非常に評価すべき」