水沼貴史のNice Middle!BACK NUMBER
W杯26人枠サプライズも? 水沼貴史がE-1に推す“J1の5人”「気になるのは名古屋の…」「湘南FWは化ける」息子・宏太にもエール
text by
水沼貴史Takashi Mizunuma
photograph byKiichi Matsumoto/JMPA
posted2022/07/01 17:01
6月シリーズのメンバーがW杯への中核と目される一方で……26人枠サプライズに向けて水沼貴史氏が注目するJリーガーは誰だ!
藤井はとにかくカバーリングの能力が高い。名古屋では3バックの中央を任されていますが、開幕当初は4バックでも出場していたので代表のシステムでも問題ないとみています。もしE-1選手権でオプションとして3バックを試すのならば、面白い存在なのではないでしょうか。
先日、解説を担当した試合でもカバーリングが光ったシーンがいくつかありました。左右のCBが少し前に出た時、そのスペースをケアする判断が素晴らしかった。どのタイミングで自分が前に出るのか、または、まだ我慢すべきか。最終的に相手の侵入するコースを消してピンチを未然に防ぐシーンが目につきました。
187cmと高さもあって、フィードも悪くない。「まだまだ」という意見もあると思いますが、個人的には伸びしろを感じます。今季は試合に出続けているので、センターバックとしていい状態の時に経験を積んでほしいという願いも込めて。
橘田が見せるフロンターレらしさとボール奪取
MFでは、多くの人が期待しているだろう川崎フロンターレの橘田健人(24歳、169cm/68kg)を挙げましょう。
橘田の良さはボール奪取エリアが広いところ。「和製カンテ」と見出しを打つメディアがあるほど、とにかく“奪える”選手です。小柄な選手ですが、海外のプレーヤーたちと対峙しても、あの深いタックルは通用するだろうなと思います。
それでいて、直近のゲームではMF大島僚太が復帰したことでアンカーからサイドバックにポジションを移すなどユーティリティ性も高い。川崎の選手らしく、狭いスペースでパスを受けて捌く技術は磨かれていますし、プレーの強度が90分通して落ちないのもいい。監督や味方からすれば“頼りになる”選手でしょうね。
川崎という王者のプレッシャーがある中で、さらに比較されるのはかつて所属していた守田英正や田中碧ですから、いろんな悩みを持ちながらプレーしていると思いますが、その分、成長できる環境にいるわけです。
ここのポジションには、U-21日本代表で質の高いプレーを見せた藤田譲瑠チマ(横浜FM)、松岡大起(清水)や、今季は中盤起用が多い岩田智輝(横浜FM)などがいますが、欧州組が盤石な地位を築いているポジションだけに、バックアッパーとして守備面で特徴が際立つ橘田に期待したいです。
湘南FW町野「化けるかもしれない」
FWは上田綺世(鹿島アントラーズ)に懸かる期待が大きいのは言うまでもありません。なので今稿では期待を込めて、湘南ベルマーレのFW町野修斗(22歳、185cm/77kg)を紹介したいです。