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「エディーが注目した高校3年生」は、なぜ“遠回り”したのか? 久しぶりのラグビー代表戦で27歳山沢拓也と26歳梶村祐介が輝いた理由 

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大友信彦

大友信彦Nobuhiko Otomo

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photograph byAtsushi Kondo

posted2022/06/29 06:00

「エディーが注目した高校3年生」は、なぜ“遠回り”したのか? 久しぶりのラグビー代表戦で27歳山沢拓也と26歳梶村祐介が輝いた理由<Number Web> photograph by Atsushi Kondo

ウルグアイ戦で43-7で快勝に貢献したSO山沢拓也。司令塔としてゲームを統率した

 山沢も同じように遠回りを続けた。

 日本代表合宿を経験したあと、筑波大に進学した山沢は1年のシーズンからSOのレギュラーを獲得。体は高校時代とは見違えるほどパンプアップしていた。だが大学でフルシーズン活躍したのは1年のシーズンのみ。大学1年のシーズン終了後に参加したジュニアジャパンで左膝を負傷し、2年のシーズンは出場3試合のみで、3年のシーズンは出場ゼロ。そして4年のシーズン、山沢は地元・熊谷から近くリハビリの拠点としていたパナソニックに登録を移した。史上初の大学生トップリーガーとなり、リーグ戦と日本選手権の10試合に出場した。

 17年春には、ジェイミー率いる日本代表に招集され、アジア選手権の対韓国第2戦に途中出場で初キャップ。山沢は短い出場時間の中で5度のゴールキックをすべて成功させた。だがその試合での、ジェイミーの評価は辛かった。

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「山沢へのメディアの期待が高いのは分かっている。トップリーグでも高いポテンシャルを見せている。ただ、今日はファーストキャップの試合ということもあってか、自分でトライを取りに行きすぎた場面があった」

 この試合で山沢は、鮮やかなステップで相手陣深く攻め込みながら背後からタックルを受け落球した場面があった。その場面は山沢自身も悔やんでいた。

「自分でトライを取りたいというより、パスをする勇気がなかった。いいタイミングで首を振れなくて、パスする相手を見つけられず、中途半端なプレーになってしまった」

 続くルーマニア、アイルランドとのシリーズではサンウルブズから田村優が合流し、山沢の名は日本代表スコッドのリストから消えた。パナソニックでは活躍を続け、18-19年にはトップリーグのベストフィフティーンに選ばれ、19年にはサンウルブズに招集されたが、W杯に向けた代表候補に呼ばれることはなかった。

【次ページ】 山沢27歳、梶村26歳「世界基準では遅い」

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