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「エディーが注目した高校3年生」は、なぜ“遠回り”したのか? 久しぶりのラグビー代表戦で27歳山沢拓也と26歳梶村祐介が輝いた理由
posted2022/06/29 06:00
text by
大友信彦Nobuhiko Otomo
photograph by
Atsushi Kondo
「新しい選手、新しいリーダーグループが高い意識を持って、いいプレーをして、スタートを切れたと思う」
6月25日、ウルグアイ戦を勝利で飾った日本代表のジェイミー・ジョセフ ヘッドコーチは満足そうな表情を浮かべた。実質的な2022年日本代表の初戦。ジョセフHCはテストマッチ経験の少ない選手を多く起用した。メンバー発表の会見ではこう言った。
「今回はファーストキャップの選手が4人いるし、ほかにもテストマッチにほとんど出ていない選手や、アジア以外の相手と試合をしていない選手もいる」
山沢「初キャップのような気持ちでした」
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テストマッチにほとんど出ていない選手――ジェイミーの言葉が指していた1人が、先発SO指名された山沢拓也だった。昨季まで、多くのファンやメディアが待望論をいくら唱えても、日本代表の招集リストに載らなかった。そんな山沢の名前が、2022年の日本代表リストには最初から入っていた。
ウルグアイ戦、山沢はクールなゲームコントロールを見せた。FWの優位性を活かしつつ、セーフティーな戦いにとどまるだけでもない。直前まで雷雨が降っていたミクニワールドスタジアム北九州は時折強い風が吹いては止む難しいコンディションだったが、山沢は相手背後へのキックやオープンサイドへのキックパスなど、持ち味のチャレンジングなチョイスも交えてゲームを統率した。
「キックでエリアを取っていくところは自分のやりたいプレーでもあるし、それでチームに勢いを与えられれば、チームに貢献できると思った。いくつかミスはあったけれど、比較的敵陣でプレーできた時間が長かったのは良かった」
「相手のディフェンスに対してどういうアタックが効率的かをもっと考えてプレー選択をしていけば、もっと良いアタックができると思う」
山沢がテストマッチに出場したのは2017年5月以来、5年ぶりだった。
「5年ぶりといっても、前のことはほとんど覚えていません。気持ちは初キャップのような感じでした」。ウルグアイ戦を戦い終えた山沢は言った。
梶村は3年半ぶりの代表戦で初トライ
山沢だけではなかった。
CTB12番で出場した梶村祐介は3年半ぶりのテストマッチで2キャップ目。前半からチャンスとみれば自陣からでも積極的にアタックをしかけ、正確なキックで陣地を前に進めた。前半終了直前には相手の落球を拾ってカウンターアタックに出ると巧みなキックとチェイス、ドリブルで、CTBディラン・ライリーのトライをお膳立て。後半も地上すれすれのパスを巧みに捕球してつなぎ、アタックをリード。
後半23分にはNo.8マキシへのパス&サポートで再びボールを持ちテストマッチ初トライも決めた。
梶村が初キャップを獲得したのは18年11月、イングランド・グロスターで行われたロシア戦に後半33分から途中出場した。当時梶村は23歳。明大からサントリーに入ったルーキーイヤーだった。だがW杯を控えた19年は、日本代表候補には名を連ねたがテストマッチ出場はなく、W杯メンバーからも落選。20年、21年のトップリーグでも活躍の場は少なく、リーグワンに生まれ変わった22年は横浜キヤノンイーグルスに移籍してシーズンを送っていた。