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“自ら戦力外”でトライアウト→梶谷隆幸“先輩”のスマホでDeNA入団→初本塁打、母の死を経て… 白根尚貴29歳は今、何をしている? 

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広尾晃

広尾晃Kou Hiroo

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posted2022/06/20 17:02

“自ら戦力外”でトライアウト→梶谷隆幸“先輩”のスマホでDeNA入団→初本塁打、母の死を経て… 白根尚貴29歳は今、何をしている?<Number Web> photograph by Kyodo News

DeNA時代の白根尚貴

 ソフトバンク三軍からは甲斐拓也や上林誠知、牧原大成などが巣立っていったが、彼らは当時から別格の身体能力だった。そして白根もその1人として、出世街道を駆け上がっていくのだと思っていた。

白根の「野球人生」はこれからが本番なのだろう

 2014年だったと思う。愛媛県宇和島市の球場で愛媛マンダリンパイレーツとソフトバンク三軍の試合を見ていた時、スタンドに居合わせた女性が、隣の女性グループに“あれ、うちの息子なの、白根っていうの、応援してね”と話すのを聞いた。弾けるような明るい声だった。白根尚貴の母は仕事の合間を縫って、一人息子の応援に来ていたのだ。

 そのことが脳裏にあったから、白根の自由契約、DeNA移籍、そして母の死という一連の報道も、他人事だとは思えなかった。

「紆余曲折」と一言で言うには、余りにも過酷な運命に翻弄された白根尚貴だが、彼の「野球人生」はこれからが本番なのだろうと思う。

<#1からつづく>

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「プロ入り直後にヒジ手術」「ストレスから1年半で27キロ減」「22歳で自ら自由契約」“山陰のジャイアン”29歳の壮絶野球人生

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