プロ野球スカウトの評価が割れた「DeNAドラ1や日ハムドラ1と比較する声も…」北海道の高校生投手に“ドラフト候補”がズラリ…注目の3人

　今年の「北海道」は忙しそうだ。

　そんな予感は、去年の秋からあった。年が明けて、野球の季節が開いた途端、公式戦で「150キロライン」をクリアした投手が現れてみたり、秋からワンランク、ツーランク、成長しているという知らせが耳に届く選手が何人もいたり……例年以上に胸おどらせて、札幌・円山球場へ続く森の中の坂道を登る。

【北海道ドラフト候補1】斉藤優汰投手（苫小牧中央高3年）

　高校野球の北海道大会は、支部予選を勝ち上がったチームによって行われるのだが、その「室蘭支部予選」で151キロに及ぶ速球を披露したのが、【1】斉藤優汰投手（苫小牧中央高・3年・189cm88kg・右投左打）だ。

　サイズ以上の雄大さを感じさせるマウンドの立ち姿。ダグアウトとの往復の動きや身のこなしを見ても、大きな体を持て余している気配はまるでない。

　優勝候補の常連・北海高を向こうにまわして、初回こそ高く抜けた投げ損じで先取点を許したものの、2回から立て直した修正能力が、まず「エースピッチャー」の資格だ。

　秋よりフォームがよくなった。見かけのスピードで脅しをかけるような雑味が消えた。豪快な腕の振りだけはそのままに、頭が振れることもなくなって、再現性がぐっと上がったから、安心して見ていられる。2回以降「抜け球」は、ほぼなしだ。

　力を入れて投げようとし過ぎなくても、コンスタントに145キロ前後を続けられる。「近年ちょっと記憶にない」と地元の人が驚いたほど豪雪の冬に、よほど地道に鍛え込んだのだろう。

　カーブやスライダーでカウントを作れるようになったのも、明らかに昨秋からの成長点。際どく外れたカットボールを悔しがれるのも、自信と余裕の現れだ。軽快な投球テンポで、常に有利なカウントで北海高打線を封じ込み、初回の2失点だけで、試合の流れを固めてしまう。

プロ野球スカウト「DeNAドラ1、日ハムドラ1と比較する声も」

　オッと思った場面は、3対2で迎えた7回だ。無死一塁の送りバントを、あわてて二塁進塁を阻止しようとせず、一塁に投げて、一死二塁にした。

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