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“最強の交代カード”三笘薫もミリタンに封じられ… ブラジル戦に見た「はるか彼方の1点差」を森保ジャパンは埋められるのか?
text by
戸塚啓Kei Totsuka
photograph byTakuya Kaneko/JMPA
posted2022/06/07 17:10
途中出場の三笘薫はレアル・マドリーのエデル・ミリタンとマッチアップ。得意のドリブルを仕掛けたが、ミリタンは巧みに体を入れて突破を許さなかった
“最強の交代カード”三笘薫もミリタンが完封
三笘薫も苦しんだ。
72分に南野に代わって出場すると、左サイドでエデル・ミリタンと相対する。81分にドリブルで仕掛けると、縦へ持ち出すがボールを奪われてしまう。
86分にも左サイドでパスを受け、ブルーノ・ギマラエスをかわして内側へ持ち出し、鎌田大地とのワンツーでペナルティエリア内へ侵入する。ギマラエスと接触して倒されたが、PKにはつながらなかった。
87分にはミリタンとの1対1に挑む。スペースと時間の余裕があり、自分の間合いで仕掛けられる局面だったが、縦へのアクションはミリタンに潰されてしまった。
三笘自身は「ボールを持ってやり切ることを考えていた」と話す。しかし、自らフィニッシュへ持ち込むことも、味方のシュートにつながるパスも供給できなかった。「相手の強さは感じたし、スピードも全然足りないなと感じました。仕掛けるところとパスをするところの判断を、しっかりやっていかないといけない」と、反省の言葉を並べた。
後半途中からピッチに立つ三笘は、森保一監督にとって最強の交代カードである。東京五輪の3位決定戦では、62分からの出場でピッチ上の景色を一変させた。メキシコの守備陣を混乱に陥れ、ゴールも決めてみせた。
3月のオーストラリア戦でも、強烈なインパクトを記した。84分から出場して、わずか10分で2ゴールを叩き出した。
ところが、この日は違ったのだ。「フレッシュな状態で入って、相手が疲れているなかで対応されてしまった」と言う。世界のトップランカーが相手になると、アジアでは絶対的な「個」だった伊東や三笘も封じ込まれてしまうのだ。
伊東や三笘の「個」の力をどう生かすか
試合後の記者会見で、森保監督がふたりに触れている。
「伊東はオフ明けで、(2日の)パラグアイ戦も起用していない。本来持っているパワーは、まだまだ出せるのかなと思う。三笘も止められたシーンはあったが、1対1で相手を上回るところは見せてくれた。今日経験できたことでよりレベルの上がった相手に対しても自信を持ってくれたと思うし、肌感覚でやらないといけないことがわかったと思う」