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「765億円軍団のW杯優勝候補」強くて豪華すぎブラジルの弱点は? 日本代表の長所をぶつけるとしたら…《過去2分10敗》
posted2022/06/06 11:05
text by
沢田啓明Hiroaki Sawada
photograph by
Penta Press/AFLO
ブラジル代表は、強豪ひしめくワールドカップ(W杯)南米予選で圧倒的な強さを発揮し、17戦して14勝3分(中止・延期された1試合を除く)。リオネル・メッシ(パリ・サンジェルマン)率いる宿敵アルゼンチン代表に勝ち点6差をつけ、首位で突破した。
今年3月末にFIFAが発表したランキングで、約4年半ぶりに首位へ返り咲いた。今年のW杯の有力な優勝候補であり、国民は20年ぶり6度目の戴冠を熱望している。
主要フォーメーションは、2ボランチが横に並ぶ4-3-3。高い位置からのプレッシングと素早い攻守の切り替えをベースに、高度なテクニックと豊かな創造性で相手守備陣を翻弄する。
市場価格合計が約765億9000万円!
レギュラーから控えまで、ほとんどの選手が欧州ビッグクラブの絶対的レギュラー。現時点のベストメンバーの市場価格合計が5億6900万ユーロ(約765億9000万円。平均約69億6000万円)で、現時点の日本のベストメンバーの市場価格合計6870万ユーロ(約92億5000万円。平均約8億4000万円)の約8.3倍というスター軍団だ。
1980年代くらいまで、ブラジル代表の弱点はGKと守備陣だった。しかし、その後、クラブでの選手育成の努力が実り、現在ではこれらのポジションでも世界トップクラスの選手を輩出している。
まず、GKがすごい。キャッチング技術が秀逸で安定感抜群のアリソン(リバプール)と、左足から繰り出す正確無比のフィードが見事なエデルソン(マンチェスター・シティ)という世界有数の名手2人がポジションを争うという豪華さ。現時点ではアリソンが概ねレギュラーとして起用されているが、「足元の技術も含めた総合力ではエデルソンの方が上」という声もある。
CBは、状況判断が素晴らしく身体能力も高いマルキーニョス(パリ・サンジェルマン)が軸。もう一つの座を、若手で馬力のあるエデル・ミリタン(レアル・マドリー)と経験豊かなチアゴ・シウバ(チェルシー)が争う。
両SBについては「カフー、ロベカル」より物足りない?
ただし、両SBに関しては、これまでカフー、ロベルト・カルロスといった世界フットボール史上に残る名手を生んできたブラジルとしては少々物足りない。
右SBのダニーロ(ユベントス)は、パワフルだが守備面のミスが少なくない。世界フットボール史上最多の41タイトルを獲得している鉄人ダニエウ・アウベス(バルセロナ)も39歳で、かつてのスピードとスタミナはない。左SBも、一長一短だ。