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「765億円軍団のW杯優勝候補」強くて豪華すぎブラジルの弱点は? 日本代表の長所をぶつけるとしたら…《過去2分10敗》
text by
沢田啓明Hiroaki Sawada
photograph byPenta Press/AFLO
posted2022/06/06 11:05
韓国を5-1で一蹴したブラジル。日本代表が付け入るスキはあるのか
ボランチは、冷静沈着で技術レベルの高いカゼミーロ(レアル・マドリー)が中心。攻撃的にプレーする場合はテクニシャンのルーカス・パケタ(リヨン)が、守備に重きを置くなら1対1の守備に秀でたフレッジ(マンチェスター・ユナイテッド)が起用されることが多い。
ネイマールにとって「最後のW杯になるだろう」
エース・ネイマール(パリ・サンジェルマン)は、これまで主に左ウイングとしてプレーしてきたが、最近、代表では主としてトップ下で起用されている。
現代フットボールではウイングは相手SBのマークをしなければならないが、30歳になり、かつてのような頻度でスプリントをするのは難しい。トップ下の方が、守備の負担が少ない。
近年は故障による欠場が急増しており、今季はクラブでも代表でも全試合の半分強の試合でしかプレーできていない。クラブでは影が薄くなりつつあるが、代表では依然として攻撃の中心。それでも、前大会に続いて今年のW杯でも期待を裏切るようなら、国内でも痛烈な批判を浴びるのは間違いない。
「僕にとってこれが最後のW杯になるだろう」と漏らしており、3度目の出場で今度こそチームを優勝に導くことができるかどうか。
3トップの当面のレギュラーは、右からラフィーニャ(リーズ)、マテウス・クーニャ(アトレティコ・マドリー)、ビニシウス(レアル・マドリー)。
ラフィーニャは、W杯南米予選を通じて控えからレギュラーへ序列を上げた右ウイングで、決定力もある。守備面でもチームに貢献する。
クーニャは、東京五輪優勝メンバー。屈強なCFで、得点能力が高い。ただし、代表での実績はまだ十分とは言い難い。それだけに、この遠征で結果を出す必要がある。
ビニシウスは、驚異的なスピードを持つ21歳のドリブラー。かつてはシュートの精度に問題があったが、猛練習を積んで急速に改善された。ネイマールが代表から引退した後のエースとなることが期待されている。
ジェズス、リシャルリソン、ロドリゴもいる
ただし、ラフィーニャとクーニャは、まだ絶対的な存在ではない。右ウイングには、今季、レアル・マドリーで急成長を遂げた21歳のロドリゴがいる。
勝負強いガブリエル・ジェズス(マンチェスター・シティ)と東京五輪得点王のリシャルリソン(エバートン)は、前線ならどこでもプレーできる。
チッチ監督は、守備戦術の構築に長け、選手たちのモチベーションを上げるのがうまく、強力なリーダーシップを発揮する。ブラジルの名門コリンチャンスを率いて2012年にクラブ世界王者となり、2016年6月から代表を率いている。