「もちろん、（プレミアリーグ最終節が行われた）日曜日は本当にがっかりしたよ」と主将のジョーダン・ヘンダーソンは会見で語った。「でも今はもう前を向いているし、落ち着いている。長いシーズンの最後の試合に勝利し、チャンピオンズリーグのトロフィーを再びリバプールに持って帰りたい。心底ほしいタイトルなんだ。チャンピオンズリーグの決勝だから、それだけでこれ以上ないほどに士気は高まっている」

セルヒオ・ラモスはいないが、サラーにとって雪辱の機会

　同じ会見に登壇したサラーには、やはり4年前の決勝で負傷交代させられたことが訊かれた。もう相手にラモスはいないが、それでも彼にとっては格好のリベンジの機会になるか、と。

「もちろんあのマドリー戦のことがあるので、すごくモチベーションは高い」とサラーは言った。ここではそれだけに止めたが、フットボール記者協会から最優秀選手に選ばれた際には、「（4年前の決勝は）僕ら全員にとって、悲しい日だった。だからリベンジを果たしたい」と雪辱を誓っている。

　ただし当然、マドリーを倒すのは困難を極める。なにしろ13度も欧州の頂点に立ったチームだ（次点のACミランが7度、リバプールは6度）。クロップ監督も「勝ち方を知っているチーム」と評したが、今大会の決勝トーナメントでは、不条理にも感じられるほどの勝負強さでファイナルまで勝ち上がってきた。

　ラウンド16でパリ・サンジェルマン、準々決勝で昨季王者チェルシー、そして準決勝ではマンチェスター・シティと、事実上の決勝戦のような試合をことごとくモノにしてきた。しかもすべて対戦で、長きにわたって劣勢を強いられながら、終盤に逆転したり、追いついて延長戦に持ち込んだりして、最後は当然のように勝ち抜けてきたのだ。

CL決勝進出を果たしたマドリーイレブン　©Daisuke Nakashima

　もはやその秘訣は、解明されなくてもいいとさえ思える。それもフットボールの醍醐味のひとつと捉えるだけで。

モダンフットボールの“アップデートした名将像”とは

　だが今週半ばに、英紙『ガーディアン』がそこを探っている。

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