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なぜレアル・マドリーは「CLで異常に勝負強い」のか “完璧だったはず”のマンCを逆転…カメラマンが震えた「伝統と成功体験の継承」 

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中島大介

中島大介Daisuke Nakashima

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posted2022/05/28 11:03

なぜレアル・マドリーは「CLで異常に勝負強い」のか “完璧だったはず”のマンCを逆転…カメラマンが震えた「伝統と成功体験の継承」<Number Web> photograph by Daisuke Nakashima

大逆転劇に沸き上がるマドリーイレブン。通算14度目のCL制覇へ、あと1勝だ

ベンゼマの飛び込みがPKを誘発した

 トータルスコアが5-5となり、延長戦にもつれ込んだ決着は、延長開始早々、結果としてはキックオフから92分と21秒後に決着を見た。

 マドリー19歳のフランス人カマビンガが、右サイドに走り込むロドリゴにパスを送る。マイナス気味にグラウンダーで折り返されたボールが目指したのは、ベンゼマの足元だった。

 シティDFでキャプテンマークを巻くルベン・ディアスの頭の中では、投げ出した自身の右足がベンゼマより先にボールに触れるはずだった。

 92分21秒戦い続けた疲労が、コンマ何秒動きを遅らせたのかもしれない、20-21シーズンのプレミアリーグ年間最優秀選手に選ばれたポルトガル人はこんなミスは滅多にしない。

 もしくは、すでに勝利を確信したように響き渡る声援がベンゼマの身体を文字通り後押ししたのだろうか、ロドリゴの折り返したそれに先に触れたのはベンゼマのスパイクであり、ディアスのスパイクが触れたのはベンゼマだった。

 イタリア人審判ダニエレは、迷いなくPKを決断した。

 キッカーはベンゼマ。全ての視線が見つめる中蹴ったボールは、この日3度目となるシティのゴールに突き刺さった。

3試合連続での奇跡的な逆転劇

 トータルスコアは6-5となり、1stレグ、2ndレグ合わせて初めてマドリーが勝ち越した瞬間だった。数々のドラマが生まれてきたが、3試合連続での奇跡的な逆転劇は、際立ったものと言えるかもしれない。

 パリ・サンジェルマンとのラウンド16、パリで1-0と落としたマドリーは、ホームでムバッペに先制点を許す。

 後半の怒涛の追い上げで3得点し、準々決勝へ進む。

 準々決勝チェルシー戦、アウェイでの1stレグを1-3で勝利したマドリーは、ホームでなんと3連続失点し、逆転を許してしまう。

 80分のロドリゴのゴールでなんとか延長に持ち込むと、96分にベンゼマがゴールし、再逆転で準決勝進出を決めた。

 迎えたシティとの準決勝、アウェイでの1stレグ、開始2分のデ・ブライネのゴールから、2ndレグ91分のロドリゴの2得点目が決まるまで、2試合合計180分のほとんどの時間をシティのリードで過ごした後での、決勝進出となった。

【次ページ】 練習時から恐ろしいほど速く正確なシティのパス回し

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