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長谷部誠38歳と鎌田大地(23戦11発)のEL実績が超スゴいけど… 20年前の小野伸二はどんな名手と優勝した?〈過去の海外組を大調査〉
text by
茂野聡士Satoshi Shigeno
photograph byMutsu Kawamori
posted2022/05/22 17:02
EL制覇を成し遂げた鎌田大地と長谷部誠。日本人選手はELでどんな実績を残したか
香川はマンチェスター・ユナイテッドから復帰後2年目のシーズンだった。レバンドフスキやゲッツェらを引き抜いたバイエルンの1強時代になりつつあったものの、フンメルスや売り出し中のロイス、オーバメヤンなどタレントはそろっていた。
この年から就任したトゥヘル監督の元、香川はインサイドハーフなどを経験。リーグ戦29試合9得点9アシストに比べるとELでは明確な結果こそ残らなかったが、8試合出場はコンスタントに出場していたという証である。
長谷部は3シーズン前のELでも……
☆ベスト4☆
〈南野拓実/ザルツブルク(オーストリア)17-18シーズン〉
・GLの対戦相手:ビトーリア、マルセイユ、コンヤスポル
・決勝T以降の対戦相手:レアル・ソシエダ、ドルトムント、ラツィオ、マルセイユ
・主力選手:GKバルケ、DFライナー、FWベリシャ、ファン・ヒチャン、ダブール
・南野の成績:9試合2得点(197分)
〈長谷部誠/フランクフルト(ドイツ)18-19シーズン〉
・GLの対戦相手:ラツィオ、アポロン、マルセイユ
・決勝T以降の対戦相手:シャフタール、インテル、ベンフィカ
・主力選手:GKトラップ、DFエンディッカ、MFコスティッチ、G・フェルナンデス、FWヨビッチ
・長谷部の成績:14試合(1232分)
マンチェスター・シティ移籍が決まったハーランド(ドルトムント)を育てたのを筆頭に、今やザルツブルクは「5大リーグ以外から若手有望株を送り出す強豪」の立ち位置を確立した。
そんなクラブが成り上がるきっかけとなったのは、ベスト4に進出した17-18シーズンだろう。南野が加入して4シーズン目、チームはCL予選で敗退したものの、ELに回ってグループステージを首位で突破。決勝トーナメントでもドルトムントなどを下すなど躍進を見せた。
このシーズンの南野はソシエダ戦などでゴールを奪ったものの、ELでは出場機会が限られていた。しかし18-19シーズン(チームはベスト16)では、GLローゼンボリ戦でのハットトリックなど10試合4得点の実績を残している。
長谷部がELの舞台で爪痕を残したのはキャリア2度目であることも忘れてはいけない。
3シーズン前はエースのヨビッチが14試合10得点と大暴れしたのが強烈だったが、長谷部も主にリベロとして円熟のプレーを見せて「カイザー(皇帝)」なる異名まで頂戴した。準決勝では優勝チームとなるチェルシー相手に2戦合計2-2、延長・PK戦まで持ち込む激闘を演じた。
そう考えると、UEFA杯時代の05-06、06-07シーズンに連覇、13-14シーズンからを含めて3連覇を達成したセビージャもそうだったが、フランクフルトが今後「EL巧者」から強豪クラブにステップアップしたとしても何らおかしくない。
EL準優勝を経験したのは誰だっけ?
さらにEL準優勝という実績を残している選手もいる。