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「能力では松坂大輔より上」佐々木朗希20歳と松川虎生18歳の完全試合 巨人・槙原-村田の30代バッテリーでも緊張したのに…
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NumberWeb編集部Sports Graphic Number Web
photograph byNaoya Sanuki
posted2022/04/11 11:02
2021年の佐々木朗希。その怪物性は日ごとに増している
佐々木朗希・松川虎生の“足しても38歳バッテリー”の偉業
<名言3>
男ならやってみろ!
(村田真一/Number572号 2003年3月20日発売)
◇解説◇
佐々木朗希が達成した完全試合は28年ぶりの快挙である。彼の前に達成したのは、80年代後半から90年代にかけて巨人の三本柱として君臨した槙原寛己だった。
1994年5月18日の巨人対広島で、槙原は史上15人目の完全試合を達成した。
「7回頃になると、ベンチがシーンとしてるんですよ。誰も僕と口をきかない。目を合わせようとしない」
槙原は、その試合の緊張感をこのように振り返っていた。そんな張り詰めた雰囲気の中、捕手の村田はマウンドに歩み寄って、活を入れた。偉業達成のかげには、同期である村田の心遣いがあった。
ちなみにこの時、槙原と村田ともに30代に入り、キャリアの円熟期を迎えていた。一方で佐々木朗希は高卒3年目の20歳、リード面で支えた捕手の松川虎生は高卒1年目のルーキーで、まだ18歳……。足しても38歳の若きバッテリーが、とてつもない偉業を成し遂げたのである。
<名言4>
今の時点で考えているのは……先発ピッチャーとしてイニングをしっかり稼ぐことができて、ストレートの平均で160キロぐらいを投げて、真っ直ぐも変化球もしっかりコントロールができる。そういう総合的に良いピッチャーを目指したいなと思っています。
(佐々木朗希/NumberWeb 2021年8月27日配信)
https://number.bunshun.jp/articles/-/849543
◇解説◇
2021年夏に語った佐々木朗希の「目指すピッチャー像」である。
長い回を投げる、平均球速160キロ、コントロールが抜群。どれか1つだけでも十分プロで生きていけそうな武器になりそうなものだが……佐々木朗希はすべてハイレベルなピッチャーを目ざそうとしている。
その姿勢があるからこそ「13者連続奪三振、19奪三振をマークしての完全試合」を達成したのだろう。
28年ぶりとなる快挙で佐々木朗希は今後、野球ファンだけでなく世間から大きな注目を浴びることは間違いない。「令和の怪物」は期待をプラスに捉えて、さらなる飛躍を遂げるはずである。
<佐々木朗希の完全試合が「漫画超え・史上最高の105球」な理由編に続く>