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森保監督「今日W杯出場を掴み取ろう」強気采配だった三笘薫の投入… 鬼門アウェイで豪州を下した“要因と意義”とは?
posted2022/03/25 17:20
text by
飯尾篤史Atsushi Iio
photograph by
JFA/AFLO
勝てばW杯出場決定、負ければW杯出場を逃しかねない3月24日のシドニー決戦で明らかになったのは、日本代表の選手層とタレント力だった。
グループ2位の日本はこの大一番に、エースの大迫勇也、右サイドバックの酒井宏樹、センターバックの冨安健洋を負傷の影響で招集できなかった。
一方、グループ3位のオーストラリアも、中盤の主力であるアーロン・ムーイとジャクソン・アーバインが新型コロナウイルスの陽性反応のため、トム・ロギッチが負傷のためにエントリーできなかった。
長友が決戦4日前に口にしていた“予言”
総力戦にして、総合力が問われるゲーム――。
「彼らが来られないことは、長い間一緒に戦ってきた仲間なので残念ですけど。前回もセンターバック2人がいなかったけど、代わりに入った選手が素晴らしいパフォーマンスを見せて、チームも勝利を収めた。今回も問題なく、代わりに入った選手たちがしっかりと戦ってくれると思います」
決戦の4日前に長友佑都がそう語っていたが、言葉どおりの試合内容となった。
ボールを保持したいはずのオーストラリアはホームでありながら、日本を押し込むことができず、カウンターに勝機を見出そうとしていた。
それに対して日本は、遠藤航、守田英正、田中碧の3センターハーフを中心に、ときにボールを保持しながら、相手ディフェンスラインの背後に蹴り込んで、浅野拓磨や伊東純也を走らせながら、オーストラリアを牽制していく。
南野拓実が前半だけで7本のシュートを放ち、2本をバーにぶつけるなど、予想以上にチャンスの山を築くことになったが、相手を揺さぶり、走らせて体力を奪い取る狙いもあったはずだ。
吉田「後半はペースが落ちるという情報も」
「相手が前半はプレスに来るという情報も、後半はペースが落ちるという情報も入っていた」
そう明かしたのは、キャプテンの吉田麻也である。むろん、試合直前に降り出した大雨の影響でピッチがぬかるんでいたため、ショートパスよりロングボールを増やしてセーフティに進めるという側面もあっただろう。