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巨人・原監督を悩ませる「1番打者」問題…「頭使っていけよ」「ボール球振りすぎ」でも期待される27歳の“天才”はいつ開花する? 

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鷲田康

鷲田康Yasushi Washida

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posted2022/03/20 11:03

巨人・原監督を悩ませる「1番打者」問題…「頭使っていけよ」「ボール球振りすぎ」でも期待される27歳の“天才”はいつ開花する?<Number Web> photograph by KYODO

現状では開幕スタメンの1番は吉川(写真)が予想されるが、今季の活躍を期待されてきた“天才”の起用もあるか?

 ただ、中田がオープン戦で仕上がりの良さを見せてきたことで5番への抜擢が濃厚。その結果5番問題は一気に解決を見たわけである。

残された最大の課題は「1番打者」

 この「5番・中田」が固まったことで、2019年の巨人移籍以来、3番が定位置だった丸の状態がなかなか上がらずこのオープン戦で不安だった3番問題も、ポランコを丸に代わる3番に入れる「B案」で決着した。

 そして残された課題が「1番打者」となった。

 当初の構想では1番の最有力候補は昨年、ブレークした松原聖弥外野手だったが、その松原がオープン戦でどんどん評価を落としてしまったのが1番問題混迷の原因だった。

「1番打者に求めるのはやっぱり出塁率。その上で長打があればこれはインパクトがある。そういう意味では面白いと思うよ」

 原監督がこう語って試したのが、攻撃的1番打者としての丸の起用だった。

 3月3日の西武戦から1番に起用された丸はいきなり本塁打を放つなど、流石の存在感を見せたように見えた。しかしその後はまたも打撃不振で長打どころか安打も出ない。

 18日のロッテ戦では第1打席で佐々木から159kmのストレートを中前に弾き返して丸らしさを見せたのも束の間、第2打席はカウント2−2から高めのフォークに空振り三振、第3打席も代わった小沼健太投手の146kmを打ち上げて三塁へのファウルフライに倒れた。

 2018年にはリーグ最多のシーズン130四球を選んだ選球眼にもここ数年は翳りが見えて、この2年間はいずれも63四球と半減。このオープン戦は18日終了時点で43打数7安打の打率1割6分3厘で、四球もわずか3つだけ。出塁率は2割1分3厘にとどまっている。

吉川も実は丸と内容的には大差はないのが実情

 ただ、かといって代わりにこれという1番打者候補がいない。そこが巨人打線の開幕までに残された最大の課題となっている訳だ。

【次ページ】 原監督からお目玉を食らった松原

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