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核心にシュートを!BACK NUMBER
板倉滉の理想は「CB、ボランチどちらも高いレベルで」「シャルケの経験を代表に還元したい」〈麻也・冨安不在でキーマンに〉
text by
ミムラユウスケYusuke Mimura
photograph byJMPA
posted2022/01/27 11:07
日本代表でも主力の期待がかかる板倉滉。ドイツで着実に成長している
「そう思います。いかにして相手の嫌なところにボールを運べばいいのか。みんなが同じ絵を描ければ、スムーズなゲーム運びができると思いますし。試合前にいくら準備をしていても、相手がやり方を変えてくることもあります。だから、それを見ながら、試合中に自分たちも対応していかないといけない。そこの臨機応変さを、僕も身につけないといけないと思っています」
足が速いとは一切、思ってなくて
――シャルケでのディフェンスの話で、もう1つだけ質問をさせてください。シャルケの最終ラインの背後のスペースに相手が蹴ってきたボールに板倉選手がいち早く追いつき、クリアしたり、回収するシーンが目立ちます。チーム内でも足は速いほうなんですか?
「いや、僕はチームのなかでは足が速いとは一切、思ってなくて」
――そうなんですか!?
「はい。だからこそ、1つ、早めに動くというか……。相手と『ヨーイドン』のタイミングで競るような状態にならないように意識しています。自分よりも速い選手が相手チームにいる場合だったら、裏に蹴られそうなタイミングで、相手の動きと味方のポジションを見て、カバーできるように考えてやっています」
――だからあれだけ回収できると?
「あとは、『あそこは俺が行く』と示すことで、センターバックの両脇の選手が、前に強く行けるので。『オレが絶対に裏にいるから、思い切って前に行ってくれ!』とコミュニケーションは普段からとっていますし。だからこそ、そこに裏をとられそうなときには、自分がやられてはダメだと思っています」
負傷で出られなかった代表戦「もちろん、出たかったです」
――そんなシャルケでの守備を見ていると、板倉選手がいたら……と頭に浮ぶ試合があります。相手がカウンターを狙っていた、最終予選初戦のオマーン戦です。あの欠場は悔しかったのでは?
「そうですね。怪我で、出場できなかったですけど……もちろん、出たかったです」
――あのときは代表合宿中に右足を負傷して、途中で離脱することになりました、どのような心境だったのでしょう?
「痛みもあったし、MRIを撮っても出血があったので。もちろん、無理をしてでも試合に出たいという気持ちはあったんです。でも、そこは代表のドクターにも見てもらって、離脱することになって。ただ、あそこで止めてもらえたおかげで、治りが早くなって、代表戦直後のシャルケの試合に間に合い、それが今につながる部分もあったので。そこは、ドクターにも感謝したいですね」
――という事は、今度の代表戦で良いプレーを見せられれば、代表の医療チームにも恩返しになるのでは?