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核心にシュートを!BACK NUMBER
板倉滉の理想は「CB、ボランチどちらも高いレベルで」「シャルケの経験を代表に還元したい」〈麻也・冨安不在でキーマンに〉
posted2022/01/27 11:07
text by
ミムラユウスケYusuke Mimura
photograph by
JMPA
シャルケでの板倉滉は、最終ラインで身体を張る仕事以外でも、輝いている。
目立つのは、リベロというポジションのルーツを思い出させるような、攻撃での貢献だ。最後尾からのビルドアップだけではなく、ボールを奪ってから最前線まで駆け上がっていくシーンが、たびたび見られる。
12月10日のニュルンベルク戦で、板倉が決めた初ゴールもそうだった。自陣で相手のボールを回収してから相手陣内の深い位置まで運び、最後はFWピエリンガーとのワンツーから右足でゴールネットを揺らした。
全てが上手くいった初ゴール
――シャルケでの初ゴールは相手陣内の深いところまで上がったあとに、判断を変えたことで生まれたそうですね?
「あの時は、もうロスタイムに入っていたんですけど、サイドを駆け上がったときに、思ったよりも前に進めそうだなと感じて。『(時間を稼ぐ意味でも)コーナー付近まで持っていければ』と考えていたのですが、味方にパスを出したあとに、『このままゴールも狙えるな』と思って、あそこまで行ったんです」
――あのシーンに限らず、ボールを持ち上がり、前線の選手とワンツーをするシーンも多く見られます。練習のときから、そういうプレーを意識してやっているのですか?
「もちろん、あのときなども含めて『(ボールを)出してくれ』と声は出していますけど……練習であそこまで持っていくようなことはあまりないです。ただ、大切なのは試合の流れですよね。あの試合では、味方からの良い落としが来なければシュートは入っていなかったと思うので、全てが上手くいったかなとは感じます」
「CBとボランチ、どちらが?」と聞かれるけど
――板倉選手はこれまでのキャリアのなかで、理想のポジションについて『センターバックか、ボランチか、どちらですか?』と繰り返し聞かれていると思いますが、攻守で幅広いプレーをリベロで見せていることこそが、その答えになるのでは?
「そうですね……まぁ、そこが僕の良さでもあると思っているし。『センターバックとボランチ、どちらが良いのか?』とよく聞かれますけど、両方とも高いレベルでこなせるようにならないといけないなと僕は思っているので。その意味では、センターバックでプレーしている時期が続いたあとに、(相手からのプレッシャーがきつくなる)ボランチでいきなり使われたときにも、しっかりプレーできるようになることが、今の自分の課題でもあると思います」