――素朴な疑問なのですが、板倉選手が初先発を飾ったデュッセルドルフ戦では、ゴールキーパーからのビルドアップの形を、前の試合から変更しましたよね？ ビルドアップの始まりのところでリベロ（板倉選手）が関与する比重が、前の試合よりも大きくなっていました。

「初スタメンの試合だったので、監督の心境を全てわかっていたわけではないのですが、相手のやり方による部分も大きかったのかなと。後ろから丁寧につないでいくのが監督の求めるスタイルなので。今もそうですけど、いろいろな形を試していますよね」

今までは自分の技術ばかりを考えてやっていたが

――最近の試合では、ビルドアップの際に、3バックの真ん中でスタートして、前に運ぶ過程で板倉選手がアンカーのパルソンと同じ高さまで上がり、2人のセンターバックと四角形のような形にしていくシーンも多いですよね。そのあたりでは板倉選手からもアイデアを出しているのですか？

「練習の時から監督と話をしながらやっています。ただ、あくまでも相手がどうやって守備をしてくるのかによるので。『ここで自分が上がったほうが相手は嫌がるだろうな』など、状況を見ながら、タイミングを計って、やっています。監督からも『相手を見ながら、ポジションを変えてやっていけ』とも言われるので。ただ、最近は、今までなかったような考え方もできているなというのは感じています」

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――そういう取り組みを聞くと、選手たちでアイデアを出し合いながらやっていく、日本代表のサッカーに取り組む際にも、大いに役に立つ気がしますが？

「本当にそう思います。そういうことを考えられるようになったことで、プレーの幅も、広がっていくような気がしますし。今までは自分の持っている技術ばかりを考えてやっていたところを、いろいろな状況を把握しながらやれるようになれば、自分だけではなくて、味方も、やりやすいと感じられるようになるでしょうし」

ロシアW杯セネガル戦で長谷部が同じような動きを見せたが

――少し前の話にはなりますが、2018年ロシアW杯のセネガル戦などもそうでしたよね。インテンシティーが高く大事な試合で、相手は高い位置からプレスにかけに来ていましたけど、所属クラブでリベロをやっていた長谷部選手がビルドアップで工夫することで、相手のプレスを回避できました。試合中にそういうことを難なく出来るようになる必要がありますよね？

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